「命がけで医療を学ぶ」燃えていた研修医時代 夏休みで日常業務を離れ、最近の自分を反省

ドクター備忘録

谷光 利昭 谷光 利昭

今年は、自分自身の研修のためとも思い、開業以来、最長の1週間という長いお盆休みを頂きました。言い訳になりますが、日頃は日常業務が忙しくて様々なことを省みる時間がほとんどないんです。今回はコーチングの先生に付いて頂き、自分を省みることに重点を置きました。

忙しすぎて分からなかったこと、家族、職員さんに対して不必要なストレスを与えていたこと、自分の生き方、考え方が完全に間違った方向に進んでいたこと…、様々な面で本当に反省しました。コーチングの先生には多くの本を紹介して頂きました。その中で「悟り」を開いたという感じのお坊さんの言葉で心に残る言葉がありました。「初一念」を貫くという言葉です。

医師になったばかりの若い頃、私は命がけで外科を学ぼうという強い志がありました。しかし、今はどうでしょうか? 自堕落に、言い訳をしながら過ごしているようにも思えます。研修医の頃、睡眠時間はほとんどなく、家に帰るのは酷ければ月に一度という生活を送り、おかしくなる一歩手前まで追い込まれた生活を送っていました。

それは決して良いことではありませんが、究極まで自分を追い込む、追い込まれるという経験は、以降の人生でとても役に立っています。私にはできませんでしたが、全てを受け入れて生きるという事です。やはり、医療従事者にはそのような気概、思いが必要だと再認識しました。

しかしながら今のコロナ禍、発熱外来の患者さんの受け入れには限界があります。検診、内視鏡検査をできるだけ断り、発熱外来に力を尽くしていますが、私一人が発奮すると事務員さんは朝5時半に出勤して、ほとんど休憩なしで午後7時まで仕事をする状態になってしまうのです。手も足も出ないとはこういうことだなと思います。閉口の毎日です。

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