アクリル製の「透明な本」が「レシピを開いたまま料理できる」と話題!「これはすごいアイデア」「天才」

山本 明 山本 明

 青空にかざされた「透きとおった本」の画像がtwitterに投稿され、注目を集めました。この本は厚さ5mmのアクリルでできています。透明度が非常に高いため、開いた本や雑誌の上に重ねれば、そのままページに印刷された文字を読むことが可能。「レシピを開いたまま料理をしたり」「ごはんを食べながら小説を読んだり」日常の様々な場面で活用することができます。

 この美しい本を投稿したのは、プロダクトデザイン事務所「TENT」(@tent_1000)のアカウントで、製品名は「BOOK on BOOK」といいます。大きさは、ヨコ210mm × タテ185mm ×高さ20mm くらいで重さは220g。文庫や新書にジャストフィットするサイズで作ってありますが、透明なので、大きな本、小さな本いずれに乗せてもしっかりと馴染むのだそう。肉厚のアクリル板は静岡の工場で、1つ1つ職人の手によって加工し研磨されて作り上げられています。

 ツイートには「これはすごいアイデアだー!!」「デザイン好きすぎる」「天才」と感嘆の声が次々上がりました。また「エモいから欲しい 本読まんけど」と、その形状そのものの美しさに心惹かれた人からの声も届いています。

 「TENT」は2011年に治田将之さんと青木亮作さんの二人が結成したクリエイティブユニットです。「象印」とコラボレーションした家電シリーズ「STAN.(スタン)」のプロダクトデザインからクリエイティブディレクションまで担当するなどのクライアントワークにたずさわる一方で自社オリジナル製品も製造、販売しており、今回話題になった「BOOK on BOOK」は後者の製品になります。

 「BOOK on BOOK」は青木さんが、実に7年の歳月をかけて完成させた製品です。当時、活字中毒だった青木さんは村上春樹さんの小説に夢中で、名著「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を読んでいた時、ごはんを食べるために途中で本を閉じたくなくて、本の左右両側に自分の携帯や財布を置いて開いたままにしていたといいます。しかし小説の世界観に「携帯と財布」という「生活感あふれるアイテム」が意識の上で侵入してくることが気になって、何とか解決できないものか…と考え始めたのが「BOOK on BOOK」誕生のきっかけになったのだそう。この7年間の紆余曲折の経緯については青木さん自身がnoteで記事にしていて、そのURLもツイートしています。

 発売から約9年が経過し、着想から数えると16年近く経過した今でも、twitterに投稿すると、見る人に新鮮な驚きと感動を与える「BOOK on BOOK」。それはきっと時代を超えて人に訴えかける普遍性と変わらぬ美しさがこのプロダクトに備わっている、ということなのでしょう。

 今回twitterで話題になったことについて「『BOOK on BOOK』は、今回だけでなく過去に何度も、国内外問わずSNSで多くの方に話題にしていただいております。発売当時は『これからは、本は電子の時代になる』という意見ばかりで『BOOK on BOOK』 も長くは続かないのではないかと思っていましたがおかげさまで非常に長く、多くの方にご愛用いただいてます。ありがとうございます」と喜びを語る青木さん。

 さらにその使用法については「職人の手作りのクオリティの高さから、オブジェとして飾っておいても綺麗なBOOK on BOOKですがやはり、道具は使ってこそだと思います。食事の際にもお子様と絵本を読むときにも、日常生活の一部となれるといいなあと思います」(青木さん)と願いを語ってくれました。飾るもよし、使うもよし、ご縁があってこの美しい本を手に入れた人は、ぜひ自身の人生の1ページに加えるように長く大事に手もとにおいてあげてくださいね。

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「BOOK on BOOK」6160円(税込)

◆「TENT」のHP|https://tent1000.com/
◆「BOOK on BOOK」のウェブ販売のページ|
https://tent1000.stores.jp/items/50a4b19356ea702927000232

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