2022.08.29(Mon)

黄色い空ばかり5年間も投稿する狂気のインスタ…実は老舗のチャレンジ「京都人の出汁に対する執着は凄い」

空のような写真なのに、色味は黄色やオレンジで…？　その正体に気づいて驚き、「京都のうどん店権太呂の、出汁の写真（たまに出汁越しの空）を投稿し続ける狂気のインスタアカウントを見つけてしまった」との投稿に2万以上の「いいね」がついています。

投稿した伊藤祐樹さん（@832boy）と、「きょうのひとしる」という専用アカウントをもつ日本料理店「権太呂」の担当者に話を聞きました。

この投稿には「金箔の屏風かと思った」「絶対美味しいやつ」「京都人の出汁に対する執着は凄いなｗ」と出汁の見事さに感嘆したり、「雲が写ってる？」などと不思議さに反応する声も。

そのほかにも、同店を訪れた人からは「母の還暦祝いで行った京都旅行でこのお店のうどんすき食べたけど、すごく美味しかったなあ…また行きたい」「権太呂のうどんまじで美味いから京セラ美術館か動物園か平安神宮行ったついでにみんな食べて欲しい。インスタ狂っててもっと好きになった」とオススメする人もいました。

「これ、よーく見てみると毎日出汁越しの空の気もしてきた（出汁越しの空って何？）」と語った伊藤さんにお話を聞きました。

着眼点の鋭さ、投稿数の多さに驚き

――このアカウントをみつけた時のご感想は？

美味しいうどん屋さんを検索していたら、偶然みつけました。最初は何の写真か分からなかったのですが、見てるうちに「あ、これは出汁だ」「というか出汁越しの空だ」と気づきました。とてつもない出汁へのこだわりを感じるので、見てるとお腹がすきますね。

――その思いを投稿されたのですね。

やはりこのアカウントの着眼点の鋭さや、遡っても遡りきれない投稿数の多さに驚きました。素人目には全て同じ投稿に見えたのですが、やはり出汁も毎日違う表情を見せているということですよね。

――投稿への反響についてご感想は？

ただただ美味しいうどん屋さんを検索していただけなので、こんな事になるなんて思いもしませんでした。権太呂さんのお出汁は通販で買えるので、是非購入して各々の出汁越しの空の写真を撮って欲しいです。

ようやく日の目をあびることができた

明治43年創業の「権太呂」(本社：京都市中京区)は、京都市内で3店舗を運営し、こだわりの出汁で作られるそば、京風うどんすきなどが人気です。毎回、一言添えられている「くもりとあめ」「焼けるような」「風が気持ち良い」なども気になり…担当者に写真について教えてもらいました。

――お店の公式アカウントとは別に、出汁専用のインスタを始めたきっかけとその思いは？

毎日、早朝よりとっている出汁を、ひとりでも多くの方に知ってもらいたくて始めました。

――投稿は約5年前から始まっていて、出汁のみの投稿数が1200を超えていますね！

基本は毎日公開を目指してやっていますので、ほぼ毎日撮影して公開しています。

――撮影をする際、こだわり点や出汁をきれいに見せるコツはありますか？

京都の空に向かって、（透明の器に入れた）出汁が透けるように撮影しています。

――なぜ空に向かって撮影するのですか？

京都の空模様を感じていただきたいため、その日の天候を投稿しています。

――改めまして、出汁のこだわりを教えてください。

創業より、昆布の王様と言われる羅臼昆布を使用しています。それに3種の節、うるめ節・めじか節・さば節を合わせて、職人による長年の熟練した腕で、早朝より取り上げております。火加減などにも注意し、温度、湿度など季節ごとに味が変わらないように心がけております。

――最後に、今回の反響についていかがですか？

今まであまり投稿を見てもらえていなかったので、ようやく日の目をあびることができました。大変嬉しく思っております。

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「権太呂」公式サイトには、「黄金の一汁」として出汁の詳細が載っており、「美味しいおだしは、実はとても美しい」の文言が印象的です。今回、アカウントを紹介した伊藤さんは実際にお店へ行ったこともあるそうで「もちろん美味しいお店！」と教えてくれました。また、京都を中心に活動するバンド・THE FULL TEENZのメンバーである伊藤さんは「あの黄色～い空みたいなエモいライブします」と数々の写真から影響を受けたようです。