飛行機の上昇、降下で起こりやすい「航空性中耳炎」って? 搭乗中にできる改善法

ドクター備忘録

尾原 徹司 尾原 徹司

 コロナ禍ですが、この夏は3年ぶりに「行動制限なし」になり、国内だけでなく、海外旅行に行く人も増えているようです。ところで、飛行機に乗った時、上昇や降下した際に、耳が詰まった感じがしたり、耳が痛くなったり、聞こえにくくなったりしたことはありませんか。

 機内の気圧が変化するので、耳が痛くなりやすいのです。こんな症状があれば「航空性中耳炎」と考えていいでしょう。なかには、気圧の変化で「航空性歯痛」などを引き起こす人もいますので、要注意です。

 原因は、中耳の気圧を一定に保つ働きをする耳管(中耳から咽頭部につながっている部分)が、離着陸時の急激な気圧の変化によって閉じたままになり、本来の機能が低下してしまうために起こるといわれています。

 軽症の場合は耳が詰まるような感じや軽い痛み、聴こえづらいなどの症状が出ても、通常は数分から数時間で治ります。体調が悪かったり、アレルギー性鼻炎などの持病があったりする場合は、激しい耳の痛みや耳鳴りなどに襲われることもあります。

 軽症の場合は搭乗中に水を飲んだり、飴をなめたり、ガムを噛んだりするだけでもよくなることがあります。また、あくびや、首を左右に動かすことも効果があるといわれています。

 症状が少し重い場合はスキューバダイビングで用いられている「バルサルバ法(耳抜き)」もあります。まず、軽く鼻をかみます。次に鼻先を指でつまんで塞いだ後、強く息を吸い込み、その後に吐き出します。こうすることで、耳管に空気を挿入することができ、耳抜きができるそうです。

 症状が改善されない場合は、耳鼻科を受診することをおすすめします。

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