保護者のみなさんは、子どもの部活動についてどのように考えているのでしょうか。全国の中学1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者236人に聞いたところ、中学校の部活動に所属していることのメリットは「子どもの人間関係が広がる」「子どもに協調性・チームワークが身に付く」などに回答が集まりました。
株式会社栄光が運営する進学塾「栄光ゼミナール」が、2022年7月に「中学校の部活動と勉強に関する実態調査」と題して実施した調査で、同塾のモニター会員(栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・大学受験ナビオに通塾する保護者)に聞きました。
同調査によると、「子どもの中学校の部活動の所属」については、55.5%が「運動部」に、36.4%が「文化部」に所属している・所属していたことがわかりました。
次に、「子どもが中学校の部活動に所属している・所属していた」と回答した保護者に「部活動を選ぶ際に保護者として気にかけたこと」を聞いたところ、「子どもが新たなことにチャレンジできる」(39.6%)、「子どもの能力・技能を生かせる」(34.1%)、「部活動が行われる日数・時間」(23.0%)といった回答が上位に並んだほか、「本人がやりたいかどうか」といった回答も多かったそうです。
続いて、「子どもが中学校の部活動に所属していることのメリット」を聞いたところ、「子どもの人間関係が広がる」(47.5%)が最多に。次いで「子どもに協調性・チームワークが身に付く」(46.1%)、「子どもが先生や先輩への礼儀を学ぶことができる」(41.0%)といった回答が上位に並び、技術的な面よりも、部活動というコミュニティ内での関係性やコミュニケーション等から得られるものを、部活動のメリットと感じている保護者が多いことが窺えたといいます。
一方、「子どもが中学校の部活動に所属していることのデメリット」については、「子どもの勉強時間が減る」(41.5%)が最多だったものの、「特にない」(36.9%)と回答した保護者も多かったといいます。
また、「中学校の部活動の活動日数の実態」について聞いたところ、「週4回程度」(29.5%)、「週3回程度」(22.1%)、「週5回程度」(21.7%)という結果に。さらに、「理想の活動日数」については、「週4回程度」(31.3%)、「週3回程度」(30.9%)、「週5回程度」(19.8%)という結果になりました。
なお、2019年の調査と比較すると、部活動の活動日数は「週5回程度」(29.3%)が最多だったのに対し、本調査では「週4回程度」が最も多い結果となっていたそうです。また、中学生の保護者のみの回答と、高校生の保護者のみの回答を比較すると、中学生の保護者は「週4回程度」が最も多い一方、高校生の保護者では「週4回程度」と「週5回程度」が同割合だったといいます。
調査結果から同社は「長時間練習の是正、教員の働き方改革、新型コロナウイルスの感染拡大等を背景に、部活動の活動日数が減っているのではないかと考えられる」と説明しています。
次に、「中学校の部活動が、勉強に良い影響を与えている(与えていた)と感じますか」と聞いたところ、「とても感じる」(15.7%)と「どちらかといえば感じる」(49.3%)を合わせると、65.0%の保護者が「中学校の部活動が子どもの勉強にプラスだ」と感じていることがわかりました。
最後に、「子どもは、中学校の部活動と勉強を両立できている(両立できていた)と感じますか」と聞いたところ、「とても感じる」(22.6%)と「どちらかといえば感じる」(55.3%)を合わせて77.9%の保護者が、子どもが中学校の部活動と勉強を両立できていると感じており、子どもの頑張りを評価していることが窺えたといいます。
なお、学校の部活動について、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽人間関係に恵まれたのか、小学校より楽しそう。だれないように、1週間の行動予定表をつくった(中1保護者)
▽メリハリのある生活や人間関係を学んでほしいと考え、部活入部をすすめた。部活内容などの話を良く聞くようにし、勉強との両立のアドバイスや人間関係の悩みについてサポートするようにしている(中1保護者)
▽昔に比べ、練習量などが大幅に減っていると感じた。部活と勉強を両立して楽しく過ごしている(中2保護者)
▽上下関係などのコミュニケーションを学ぶ部活への参加はいい機会だと思います。社会では必要であり体験するべきだと思います(中2保護者)
▽コロナ禍で朝練が2年間なかったが、復活したことの負担が大きい。朝練は一日おきくらいで良いと感じる(中3保護者)
▽時間の管理ができたと思う。週末の部活がある場合は、学校や塾の宿題をいつまでに終わらせるか、試合の時の起床時間と帰宅後のスケジュールなど、自分で管理をするようになった(中3保護者)
▽活動日の少ない部活なので勉強に支障はないが、学生時代の思い出として残るものは少ないのではないかと思うともったいない。時間があるからといって、その分勉強に向かうかといえばそうでもないので、親としては物足りない(高1保護者)
▽思春期で親子のコミュニケーションがとりにくい時期に、顧問や先輩、チームメイトから良い刺激をたくさん受けたと思います(高1保護者)
▽部内で勉強したりテスト点数を共有したりして刺激しあい、部全体でレベルアップしたのでとても良かった(高2保護者)
▽英語部はネイティブな発音を学べるので勉強にもなるし、本人も好きなので楽しみながら活動できて、とても良いと感じている(高2保護者)
▽成績が振るわなかった時は、顧問から勉強する時間を設けてくれて、部活と学業を両立できる環境を整えてくれた(高3保護者)
▽コロナの感染対策等で、部活中の姿や大会も見に行くことができなかったが、本人の話から、目標を持って頑張っていることが伝わってきたので入部してよかったと思っている。勉強との両立は、本人が考えて行っていたので、見守っていた(高3保護者)