「和食は芸術作品」ポルトガル出身の料理人が日本三景・天橋立のある地で開く完全予約制のすし割烹が話題

京都新聞社 京都新聞社

 東京や京都の日本料理店で修業を積んだポルトガル出身の男性料理人が、日本三景の天橋立がある京都府宮津市にすし割烹(かっぽう)店を開いた。季節に合わせた地元産の食材を使ったコースをふるまい「料理を通して楽しいひとときを堪能してほしい」と張り切っている。

 リカルド・コモリさん(41)さんと妻の小森美穂(みお)さん(48)。店名は「西入る」。西の国の料理人が料理でもてなすとの思いを込めた。

 少年期から料理をするのが好きだったリカルドさんは、調理師学校を卒業後、地元のリスボンの日本食レストランで働き、料理長を5年間務めた。

 和食文化をさらに追究したいと思い、2015年に来日した。静岡や山梨の旅館で研修した後、18年から銀座の懐石料理店で腕を磨いた。「味だけではなく、四季に合わせた一品ごとの色合いや器の質感、自然との調和、芸術作品のようだ」と感嘆したという。

 一方、言葉の壁や厳しい上下関係など苦労も多かった。「やめてしまえ」と厳しく指導されることもあったが、知識と技術が身についたと実感した時や、客が「おいしい」と笑顔で言ってくれる喜びのおかげで頑張れたという。

 20年10月に京都市内の料理店で約1年間、研さんを積んだ後「海と山、自然豊かな場所で独立したい」と宮津への移住を決めた。

 店内は6席で完全予約制。食事のメニューはコース料理のみで1万5千円(税抜き)。旬の食材を選んで調理する。6月は、イワガキとナガイモのそうめんや、アオリイカやトリガイのすしなどを提供。丹後の地酒やポルトガルワインをそろえている。

 リカルドさんは「リラックスして料理を楽しんでほしい」と笑顔を見せていた。水曜、木曜定休。西入る080(8370)4537。

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