昨今のコロナ禍などもあり、若手社員の中にはストレスが増大している人も多いと聞きます。全国の入社3年目までの社会人男女1002人に聞いたところ、若手社員の9割以上が「ストレスが増えた」と回答。また、ストレスの一番の原因については、約9割の人が「職場や仕事」と回答、そのうちの6割が「仕事内容」にストレスを感じていることがわかったそうです。
日本メディカル心理セラピー協会が2022年6月に実施した調査で、このほど結果が公表されました。
はじめに、「社会人になってからストレスが増えたと感じますか」と聞いたところ、「とても増えた」(49.0%)と「やや増えた」(46.0%)を合わせると、95.0%の人が「増えた」と回答しました。
また、「ストレスの一番の原因」については、「職場や仕事」(89.7%)がダントツで多く、以下、「家庭環境」(4.1%)、「友人など職場以外の人間関係」(4.0%)と続きました。
ストレスの一番の原因に「職場や仕事」と回答した人に、「職場でどのようなところにストレスを感じますか」と聞いたところ、「仕事内容」(60.0%)、「上司との関係」(54.9%)、「労働時間」(31.7%)、「同僚との関係」(21.1%)「通勤」(20.7%)といった回答が上位に並びました。調査した同協会は「『仕事内容』『上司との関係』と回答した方が多く、学生時代に想像していた仕事に対するイメージとかけ離れていたという方が多いのかもしれません」と説明しています。
なお、職場でのストレスの具体的な理由については以下のような声が寄せられたそうです。
▽希望していた部署に配属されず、やりたい仕事ができない(女性/東京都)
▽サービス残業が多くて中々帰れない、先輩が帰らないと帰れない(女性/石川県)
▽人間関係がむずかしい、 労働時間が長い(女性/神奈川県)
▽拘束時間が長いわりに賃金が安い(男性/石川県)
次に、「ストレスが原因で不調を感じていますか」と聞いたところ、65.4%の人が「不調を感じる」と回答。また、「不調を感じる」と回答した人に「身体にどのような不調を感じますか」と聞いたところ、「なんとなくだるい」(64.9%)、「肌が荒れた」(38.7%)、「体重が減った、または増えた」(34.5%)、「眠れない」(31.8%)、「頭痛」(29.2%)、「胃腸の調子が悪い」(27.5%)、「食欲がない」(23.6%)、「めまい・耳鳴り」(13.5%)、「動悸がおさまらない」(8.7%)と続きました。
他方、「メンタルの不調」については、「やる気がでない」(59.1%)、「なんとなく気持ちが落ち込む」(58.1%)、「憂鬱な気分になる」(54.6%)、「イライラする」(42.7%)、「不安や焦りを感じる」(36.4%)、「興味・関心がわかない」(26.3%)、「集中できない」(21.4%)、「人と会うのが怖い」(17.3%)、「喪失感がある」(17.3%)といった回答が続いたそうです。
続いて、「ストレス解消のために自分で行っていることはありますか」と聞いたところ、70.5%の人が「ある」と回答。また、「ストレス解消のために自分で行っていることがある」と回答した人に、「具体的な解消法」を聞いたところ、「よく寝る」(60.8%)、「音楽を聴く」(41.9%)、「趣味に打ち込む」(38.3%)、「人に話を聞いてもらう」(36.2%)、「スポーツをする」(27.9%)、「飲酒」(21.5%)、「映画を観る」(20.7%)といった回答が上位に並びました。
最後に、「その方法でストレスは解消できていますか」と聞いたところ、「ある程度できている」(59.3%)、「どちらともいえない」(16.7%)、「十分にできている」(13.6%)、「あまりできていない」(9.1%)、「まったくできていない」(1.3%)と続き、「ある程度できている」「十分にできている」を合わせると、72.9%の人がストレス解消ができているということがわかった一方で、10.4%の人はよく寝たり音楽を聴いたりしてストレス解消に励んでいても、なかなか解消にはつながっていないことが窺えたといいます。
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調査を行なった同協会は、「職場で抱えているストレスをゼロにすることは難しいです。そのため、今後は若手社員に寄り添って、いかにストレスと上手く向き合っていくかを考えることが重要になってきます」と述べています。