突然の交通事故をきっかけに、難病『脳脊髄液減少症』という病気を発症し、24時間寝たきりの生活を送っている星野希望さん。激しい頭痛や吐き気、めまい、全身の激痛などの症状に耐えながらも、寝たきりピアニスト・作曲家・書道家として精力的に活動し、SNSで発信を続けています。
『脳脊髄液減少症』とは、交通事故やスポーツなどの外傷などによって発症する誰にでも起きうる病気です。脳や脊髄を守る脳脊髄液が漏れ、脳の位置が下がってしまうことにより頭痛やめまい、吐き気、全身の痛みなどの症状がでます。
星野さんの場合、24時間寝たきりの状態でも、頭痛やめまい、吐き気などの症状は続き、投薬と点滴の両方で耐えしのいでいるとのこと。そのような生活の中で、星野さんは創作活動とSNSでの発信を5年以上も続けてきました。
YouTubeでは、目標だったというオンラインでの個展・ピアノ演奏会も配信(現在、第40回を迎える)。動画には、「楽しいひと時をありがとうございます」「いつか医学が発達して、希望さんの病気が良くなる日がきますように」「オリジナルのピアノ演奏は魅力にあふれ、心が癒されます」と多くのコメントが寄せられています。
24時間寝たきりで、断続的に頭痛やめまいなどの症状が出る星野さんの1日。創作活動や配信ができる時間も限られています。そのような状況の中で、活動を続ける星野さんに話を聞きました。
インターネットを通して人とつながれていることが大きな心の支え、一方で…
ーーSNSでの発信を続けてきてよかったことは?
「続けてきてよかったと感じることは、作品が完成してすぐに多くの方に見ていただけることです。
昔だったら作品を見てもらうには個展を開くしか方法がなく、実際に作品を直接見ていただく機会をもつことはとても難しかったのですが、今はインターネットのおかげで、遠くにいる方々にも作品を届けることができて、本当にうれしいです。
また、作品を通じて多くの方と関わることができ、寝たきりで社会から切り離されているように感じる孤独な状況の中でも、インターネットを通して人とつながれていることが大きな心の支えになっています」
ーー大変だなと感じることはありますか?
「この病状で発信や制作を続けていく難しさを感じています。私は活動できる日も、時間もとても限られていて、ほとんどはベッドに横たわって何もできずただただ症状に耐えています。
限られた創作時間をどう使うのか?
思うように動けないもどかしさや、何もできない時間に向き合う苦しさを感じることもあります。
病気じゃなかったら、もっとたくさんの作品を作ったり、もっとたくさんの人たちに届けることができるのにと思うことも多いです。
でも、たくさん創作できないからこそ、何かを生み出すことができるほんの少しの時間に大きなありがたみを感じ、その時間に気持ちや思いを吹き込むことができると思っています」
生き抜くためだった創作活動、続けてきて見えた少し先の未来
ーー数年間、発信を続けてきて変化を感じることは?
「寝たきりでSNSを始めた頃は、病気の生き地獄の症状の中で、ただ症状に耐えるだけのために生きていくことが辛くて、この状態で生き抜くため、なにか『生きる希望』と『生きる意味』が必要で始めた創作活動でした。
それが、『個展を開きたい』という少し先にある未来を思い描けるようになりました。
少し前の私は、1日1日生きるのが苦痛で、生きる希望も夢もありませんでしたが、少し先の夢を思い描けるようになったことが大きな変化です」
星野さんのYouTubeチャンネル『星野希望【nono】』やInstagram(@nono7pianist)、TikTok(@hoshinonozomimi)では、星野さんの心とこれからへの希望が込められた、ピアノ演奏や書道作品を視聴することができます。
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——以下、 星野希望さんのnoteより引用 ——
「難病寝たきり闘病生活で、絶望に勝つには『希望を持つこと』だと確信した。そうして、何度手術を受けても治らない生き地獄の中で、『やりたいことリスト』を作った。
寝たきり当初のような『治ってからやりたい夢のリスト』ではなく、今度は『今、この瞬間を生き抜くためのやりたいことリスト』を。
だから私は、寝たきりでピアノを弾いています。『今、この瞬間を』生き抜くために。」