アメリカで食べたラーメン「わぁ、美味しそう!」→食べてみると「アレ?」…海外の日本食に違和感、なぜ? 

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「こんなに美味しそうなラーメンが、なんと美味しくない!それがアメリカ」

日本と海外の日本食に関する違いについて紹介したツイートが話題です。

投稿したのは、アメリカ・テキサス州にあるベイラー医科大学のアシスタントプロフェッサー(助教)として、神経科学系の研究を行っているYuki Ogawaさん(@Dr_majio)。

今や、日本食は世界的にブームになっています。ラーメンも日本のソウルフードとして注目されていますね。

日本国内でも、たくさんの独自性を追求したラーメン店は多く存在しますが、見た目でどのような味かはおおよその想像がつきますし、大抵は美味しく食べられます。それだけラーメンという料理が私たちの暮らしに浸透しているということでしょう。

しかし、食文化の違う海外となると、その常識は通用しないようです。

Ogawaさんは、家族でテキサス州のコーパスクリスティにある某ラーメン店に行き、ブラック・ガーリック・ラーメンを注文しました。事前にチェックしていたお店のホームページに掲載されていたラーメンの写真は美味しそうで、とても期待されていたそうです。実際に提供されたラーメンも、非常に美味しそうに見えました。

しかし、いざ食べてみると…なんと意外なことに、美味しくありませんでした。そのうえ、値段は税抜で13ドルと高い!

考えてみると、アメリカには日本のようにだしの文化はなく、地域によっては使用される水の硬度が高かったりすることもあります。さらには、職人の調理に関するバックボーンや、人々の日本食に対する認識も異なります。そのため、日本人がそれを食べた時に、想像していた味と異なっていた、口に合わなかった、ということがあってもおかしくはありません。

実際に、ツイートのリプ欄でも、アメリカなど海外で食べたラーメンが想像の味とは違っていた、といった声は多く寄せられていました。

しかし、その一方で、「ロサンゼルスで食べた丸ごと鳥のチキンが入った豚骨ラーメンは激うまでした!」「フランクフルトのラーメンは美味しかったです」など、別の地域や国によっては美味しいラーメン・日本食が食べられたという声も。また、海外でも日本のラーメン店の支店であったり、日本で修業をした人が作っている店は美味しいという意見もありました。

Ogawaさんに聞きました。

――見るからに美味しそうなラーメンなのですが、どこが美味しくなかったのでしょう?味の感想を教えてください。

Yuki Ogawaさん:スープが、油っぽくてこってりしているのに、なんだか「味がない」という不思議なものでした。妻は別のラーメンを頼みましたが、もっと味がなかったので、そういう味を提供しているお店なのだと思います。また、アメリカのラーメン店ではありがちなのですがスープがぬるかったです。一方で、息子(3歳)が頼んだ子供ラーメンはなぜかスープが熱々でした。あと、チャーシューもあまり美味しくありませんでした。ただ、味玉は結構美味しかったです。

――お話を聞くに、私たちの感覚ではどうしても「美味しくなさそう」、という感想になってしまいますね。現地の方はそのようなラーメンを普通に食べられているのでしょうか?

Yuki Ogawaさん:息子はこのお店のラーメンを気に入っており、たくさん食べていました。もしかすると、子供や日本食を常食していないアメリカ人などには食べやすいのかもしれません。

――食文化や味覚の違いによるものかもしれませんね。いずれにせよ、日本のラーメンとは大きな違いがあるのは間違いなさそうです。どのようなところに原因があると思われますか?

Yuki Ogawaさん:「出汁がうまく取られていない」「うま味調味料が十分に使われていない」「醤油が十分に使われていない」などが原因だと思いました。

――お店の雰囲気は?

Yuki Ogawaさん:店員さんは非常にフレンドリーで、いい感じでした。本来は美味しくなかったりサービスが悪かったりしたお店は、店員に払うチップの額を減らしても良いのですが、通常額くらいのチップを払いお店を出ました。なので、ここのお店を悪く言うつもりはまったくありません。

――味は気に入らなかったものの、サービスのいいお店だったのですね。逆に、美味しいラーメン店にあたったことは?

Yuki Ogawaさん:テキサス州・ヒューストンにある「楽観」と「陣屋」というラーメン屋さんはとても美味しいと感じました。

ラーメンのほか、海外で食べた肉寿司にまつわるエピソードも

Ogawaさんのツイートのリプ欄には、海外でラーメン以外の日本食を食べたというエピソードについて紹介する方もいました。

そのなかで、桃ちゃんプリンセスさん(@ohimesamajapan)は、アメリカで食べたという肉寿司を紹介。

さしが入った特大の肉に覆われ、見た目豪華でとても美味しそうなお寿司。“映え”な外見にテンションが上がり、写真を何枚も撮ってしまったという桃ちゃんプリンセスさん。しかし、いざ食べてみるとお肉はベタベタしてて味がなく、シャリもドロドロで、期待に反してまったく美味しくなかったといいます。

「日本で、このビジュアルでマズイってないと思うんよ!!」とリプ欄で残念な気持ちを語る桃ちゃんプリンセスさん。日本とアメリカとの食文化の違いが、このような見た目と実際の味とのギャップを生んでいるのかもしれませんね。

なお、Ogawaさんに聞いたところによると、現地のお寿司屋でも「ヒューストンにあるくら寿司は美味しかった」とのこと。確かに、くら寿司は日本が展開する寿司チェーン店ですので、味には信頼が置けそうです。しかしながら、値段は日本に比べてかなり高く、1皿3ドルもするそう…。

やはり海外で美味しい日本食を味わうのは、いろいろな面でハードルが高いのかもしれません。

  ◇  ◇

料理は見た目も美味しさの一部と言われますが、海外の日本食に限っては、見た目で美味しさを判断することは難しいようです。海外で日本食を食べる際は、事前に味の評判などをしっかりリサーチしておいた方が無難かもしれませんね。

■Yuki OgawaさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/Dr_majio

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