なぜ選挙の投票日は日曜日? 日本も以前は平日投票があったって本当?

参議院議員選挙の疑問 大学教授に聞いた4

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 7月10日が投票日の参議院議員選挙が始まっています。7月10日は日曜日です。なぜ、投票日は日曜日なんでしょうか。京都産業大の中井歩教授(政治過程論)に聞きました。

 -なぜ、投票日は日曜日なのでしょうか。3月に実施された韓国の大統領選挙は水曜日でした。日本のように投票日が日曜日だと、休みの日に投票に行かねばなりませんし、事前に予定が入っていることもあります。

 中井教授 以前は日本でも平日に投票がありました。しかし、現在では「日曜日に投票」というのがもう慣習として根付いていますね。最近では(投票日前に投票できる)期日前投票が浸透してきましたが、まだ多くの人が投票日に票を投じています。

 米国の大統領選挙の投票日は11月第一月曜の次の火曜日で、これは法律で決まっています。予備選挙が集中する「スーパーチューズデー」も火曜日ですね。アメリカで選挙と言えば火曜日なのは、日曜日には教会に行き、月曜日に投票所のある町まで移動して、火曜日に投票する-という歴史の名残だと言われています。

 日本ではやはり「日曜日だと仕事がないでしょう」ということで投票が行われているんだと思います。

 推測を述べると、日曜日が投票日なのは学校も関係しているからではないかと思っています。

 多くの自治体では学校が投票所になっています。平日だとやはり授業があるので使いにくいですね。日曜日だとその点、学校施設は使いやすいです。

 平日投票にして、学校で成人が投票をする様子を子どもたちが見るというのは主権者教育として非常に意義があると思います。例えば、子どもたちが投票所の案内のお手伝いなどを通じて体験学習として学ぶのもいい教育になるのではないか、と思います。

 ただ、学校の敷地内にいろいろな人がやってくることになります。これは不審者警戒の観点から学校の先生は反対するかもしれません。

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 参議院議員選挙は7月10日投開票です。7月9日までは期日前投票ができるほか、選挙人名簿登録地(住民票のある場所)から離れた場所にいる人は不在者投票も利用できます。

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