お腹を空かせた子猫→家にスルリと入ってご飯をガツガツ 病気で生死をさまようも奇跡的に復活、家族の大切な一員に

渡辺 陽 渡辺 陽

家に入ってきたドッグフードを食べた猫

みーちゃんは野良猫だった。群馬県に住む高村さんはチワワのシフォンくんを飼っていた。シフォンくんのごはんを家の中に出していたところ、網戸を開けた瞬間みーちゃんが入ってきて食べたという。

みーちゃんはガツガツ食べていた。生後3ヶ月くらいだった。その姿を見ながら高村さんは、

「お腹を空かせているんだな。この子、家から出たらどうやって生きていくんだろう」と考えた。そのことをお父さんに話すと、「実は、内緒でミルクを飲ませていた」と言われた。高村さんは、幼い頃から猫アレルギーがあり、内緒で外で野良猫を触っては瞼を腫らして帰ってきた。そのため、高村家では猫は飼わないことになっていた。「猫がダメなら犬を飼いたい」と言って飼ったのがシフォンくんだったという。

もう外にはださないよ

お父さんが内緒でミルクを与えていたことや、親猫とはぐれたのかもしれないと言うことをお母さんに話すと、お母さんもシフォンくんのごはんを庭に置くようになった。ごはんが減っていたら、みーちゃんが来たということだった。

「ごはんと水を置くことが毎日の日課になりました。夏は暑くないようにアスファルトに打ち水をしたり、日陰を作ったりしてあげました。でも、この子は女の子では?赤ちゃんができたらどうすると心配になりました」

女の子なら不妊手術をしないといけないと家族で話していた矢先、網戸から再びみーちゃんが入ってきた。高村さんは数時間家の中で一緒に過ごし、「もうお外には出さないよ」と強く心に決めたという。猫を飼うことに反対してきたお母さんも、今度はさすがに観念した。

病気がなくなればいいのに

シフォンくんは7歳の時に病気になって、9歳で虹の橋を渡った。みーちゃんは7歳の時に膵炎を患い、いきなり食欲がなくなった。動物病院に連れていくと、入院しなければならず、今夜が峠だということだった。

「翌日病院が休みだったので、『容体が悪くなったり急変したりしたらどうなるのですか』と尋ねると、24時間誰かがついているわけではないので亡くなることもある』と言われました。家に連れて帰るのは危険だということでした。その時、シフォンのことを思い出しました。シフォンは5日間入院した後、家で息を引き取ったんです」

高村さんは、シフォンくんに「絶対まだみーちゃんをそっちに連れて行かないでね」とお願いした。心配したが、奇跡的にみーちゃんは数週間で退院した。

4年が経ち、今度は腹部にしこりが見つかり、血便をするようになった。みーちゃんは、今も薬を飲んでいる。結婚して隣町に住む高村さん。近くにいるが、みーちゃんのことが心配でたまらない。

「命あるものはいつかは別れが来ます。でも、一日も長く穏やかに過ごしてほしい。高齢の父とみーちゃん。いつまで一緒にいられるのか。この世から病気がなくなればいいのになと思う今日この頃です」

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