有能な人は何が違うの? 才能…ではない! 「考える」ことの大切さを語るツイートに感銘を受けた

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「たとえ話が上手で、質問の解がわかりやすい先輩経営者に、”なんでいつもスラスラ答えられるの?”と聞くと、『もう考えたことがある内容だから』と返ってきた。世間で”すごい”と呼ばれる人の大半は、頭の回転が速いのではなく、考えて解決してきた数が多いだけなのかも。考えるって、やっぱり大事だ」

“考える”ことの大切さを論じたマグさん(@OnebookofMAG)のツイート。3万以上のいいねがつく反響となっています。

たとえ話が上手、質問の解が分かりやすい、そんな有能な先輩経営者の知り合いがいるというマグさん。そんなすごい人、皆さんの周りにもいますよね?

その有能さはどこから来るのでしょうか。マグさんがその秘訣について質問してみたところ、知り合いから意外な答えが返ってきました。

「もう考えたことがある内容だから」

その秘訣は、「考えること」にあったそう。マグさんはそんな先輩経営者の言葉に、「考えるって、やっぱり大事だ」と思います。

私たちは有能な人を見た時、つい「あの人は頭の構造が違う」と感じたり、「自分には無理」と諦めの気持ちを抱いたりしてしまいがちです。

確かに、中には人並外れた才能が武器だという人もいるでしょう。しかし、優秀な業績や高い評価を得ている人たちがみな、最初から恵まれた資質があるかというと、必ずしもそうではないようです。

処理能力に優れ、“頭の回転が速い”ようにみえる人も、実際はそれは「すでに経験し、考えてきた事柄だからこそ、すぐに解決できている」という場合もあるのですね。つまり、それはその人の努力のたまもの。“考え続ける”ことを行ってきた結果というわけです。

このように、考えることの大切さを教えてくれるツイート。リプ欄には多くの方から感想が寄せられました。

「先日うちの社長から全く同じことを言われました。『決して天才でも頭の回転が速いわけでもない。みなより一足早く考えて予習してるから既にみなと話をするときには2回目、3回目なんだ』と」
「考え抜いてるから、ツッコミいれられてもすぐに切り返せるし、アピールもうまいし、誰かに伝えるときも簡単な言葉で話せるんでしょうね」
「誰よりも先につまづき、誰よりも先に考えていたのでしょうね。やはり先見の明がある。そのためには日頃の情報収集と深い思考が大切ですね」
「私は考え事をしている状態を『考えてる』と誤解していた時期がありました。『こうだったらいいな』などと頭に思い浮かべるだけ。ただの夢想を考えていると言い換えてました。『考える』は積み上げで、『夢想』は散らかすですね」

このように、学びや気づきになったという声のほか、その先輩経営者について『頭の体力が相当強い』と独特な表現を用いながら、「考え続けられることこそがその人の強み」と評価する方もいました。

今回、「考えることの大切さ」について紹介し話題となったマグさん。Twitterでは、他にも生きるうえでとても参考になるツイートを投稿しています。

また、大の本好きであるマグさんは、読書にまつわるツイートも多数行っています。

マグさんに聞きました。

――「考える」と一言でいっても、その本来の意味はなかなか深いもののような気もします。マグさんからみて、「考える」とは具体的にどのようなことですか?

マグさん:考えるとは、「テーマを設定し、解を出すまでの“過程”」のことだと定義しています。似たようなものに、“悩む”と“調べる”があります。悩むとは、「本来は答えが見えているのに、決断ができずもがいている」状態。調べるとは、「答えを探す」ことです。

――マグさんは、深く考えるためにはどのような要素が必要だと思いますか?

マグさん:考えるが「テーマを設定し、解を出すまでの“過程”」とするならば、深く考えるには、自身が出した解に対して必ず「なぜ?」と向けることが大切だと思っています。要素としては、『仮説力』(知識力に依存する)、『批判力』(自身の解に対して、バイアスを外し反論する力)の2つが必ず必要だと思います。

――なぜ考える力を持つ人が有能だといえるのでしょう?マグさんの考えを教えてください。

「考える力」が有能であることの証明として、現代は変化が激しく、答えのない問いが多いことが挙げられます。実際に、法律や常識が最前線の判断についてこない事例は多く見受けられます。その場合、答えを探すよりも、自分なりの解を持ち、何度も検証することが大切です。そこでは必ず解を出すために“考える”が必要なため、有能な人、優秀な人は総じて“考える力”を持っていると感じます。

――有能な人の要素として、「考える力」の他に大切だと思うことはありますか?

マグさん:有能な人の要素は、出せばキリがないのですが、強いて一つ上げるなら「細分化力」だと思います。物事の大半は、小さなタスクの複合系です。複合されたものを分解し、慣れているタスク、慣れていないタスク、考えることが必要なタスク、無意識でも失敗確率が低いタスク…と分解することができる人は、正しく力の配分をコントロールできます。ミスは減り、挑戦が増えます。考える力はエネルギー消費が大きいため、細分化力とセットで使えると、より達成力の高い人になれると思っています。

――マグさんは本がお好きとのことですが、本や読書の魅力とは、ズバリどのようなところだと思われますか?

マグさん:本の魅力は、ひとことで言い表せないほど多岐に渡るのですが…ズバリと言われれば「意見が体系的にまとまっている」ところではないでしょうか(ビジネス・専門書をベースに回答しています)。答えだけを知りたいのであれば、論文を読めばいいですし、意見だけを知りたいなら、SNSを見れば良いと思います。ですが、科学的根拠を基に、著者の意見を論じたものは本だけです。一冊の本の中で、一つの知識やテーマを深く論じることこともできます。知識を浅く見せることに特化したものが売れる・見られる現代において、深く正しく認識させることができる本は、貴重な存在であり、魅力ある媒体だと思います。

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マグさんは、Twitterでの発信のほか、音声プラットフォーム「Voicy」にて毎朝5時に10分間の音声配信も実施。オススメの本の紹介や、本を通して得た知見、魅力、恩恵などをテーマにお話をされています。

また、今年2022年8月中旬には、KADOKAWAより『1%読書術』を出版予定。「中卒でめんどくさがりだった」という筆者が、10年以上続けた読書術を解説しているとのこと。「本を読むと眠くなる、読書が退屈で続かない、読んでもすぐ忘れてしまう――そんな方でも、本一冊身一つあればできる読書術を紹介しています。本には人を変える力があります。ぜひ出版後、一読していただけますと幸いです」とのことでした。

■マグさんのTwitterについて→https://twitter.com/OnebookofMAG

■マグさんのVoicyはこちら→https://voicy.jp/channel/1835

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