入浴サービス、お年寄りにはあるのに…「ワンオペ多胎ママの赤ちゃんの入浴介助したい」→子育て世代に共感続々「そんなんあったらうれしい!」

中将 タカノリ 中将 タカノリ

赤ちゃん向け入浴介助サービスの必要性を訴える声がSNS上で大きな注目を集めている。

「なんでお年寄りはデイサービスで風呂にいれてくれるのに、赤ちゃんには無いんだ…ワンオペ多胎ママさんの入浴介助したいわ…ワンオペ単胎さんもウェルカムだわ…ワンオペじゃなくてもおいでませだわ。小さいから楽そうに見えるやろけど全介助やぞ…風呂場の事故は怖いんや…」

と投稿したのはおなかいぬさん(@onakainu)。

家庭での赤ちゃんの入浴の世話を大きな負担に感じている人は多いようだ。ましてや双子だったり片親だけで世話をしなければいけない環境だと……おなかいぬさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「本当に、そんなんあったら嬉しいです。退院してから家で沐浴いざするってなるともう不安で不安で.....一人目の子でワンオペでこれですけど、もしも子供もう一人...二人...といたら、、、その子見ながらも、、ってできるのかと......」
「ワンオペでの風呂って大変なんですよねー特に冬!私は妹が産後、腰痛めて沐浴出来ず、旦那さんもコロナで多忙だったので、1ヶ月半ほど毎日沐浴湯婆婆してました笑笑あんなに綺麗にしてやったのに、一才になった今では人見知りで相手もさせてくれません🥲」
「デイサービスって高齢者の保育園のようなものってイメージでしたが保育園でお風呂は入れてくれないしなーと思いました」

など数々の共感の声が寄せられている。

おなかいぬさんにお話を聞いた。

ーーおなかいぬさんが赤ちゃんの入浴介助の必要性を感じられた背景をお聞かせください。

おなかいぬ:90歳の義祖母が神戸で義父を育てていた頃の話によると、新生児期は薪で湯を沸かして沐浴をしていて、産婆さんがよく手伝ってくれたということです。また銭湯に行くと大きなベッドがあって、お風呂で赤ちゃんを洗って預けたら服を着せておいてくれたそうです。赤ちゃんがいても自分もゆっくりお風呂に入れて良かったという話を聞いて、とても羨ましく思いました。

今は当時に比べ各家庭に風呂が普及し、核家族化が進み、土地にゆかりのない人達が増えました。子育てに対する地域社会の支援がぽっかり抜けているんじゃないかなと思いました。

Twitterを見ていると、3日も自分の髪を洗えてないとか、ずっと泣いてて辛いとか、耳の後ろの黒さを夫に指摘されたとか…。清潔を保てないと外にも出られず、人にも会いたくなくなりどんどん孤立してしまうんじゃないかと思います。私も第一子は一人でお風呂に入れていたのですが、その時は自分の体を洗う余裕がありませんでした。その後も多胎の壮絶な妊娠期の苦しみを乗り越えてきたので、今困っている方がいるなら手伝ってあげたいなと思いました。

ーー赤ちゃんのお風呂の世話はそんなに大変なことなんですね…。

おなかいぬ:第一子の時はほとんど一人でお風呂にいれてましたが、夫のいる週末に一人でお風呂に入れるのが夢のようでした。

次女、三女は双子なのですが、3ヶ月の双子を一人でお風呂に入れるのは想像以上に大変でした。バウンサー2台に双子を乗せて裸にしてタオルでくるんでも暴れて脱げてしまうんです。一人が浴室で泣いたと思ったら、もう一人も脱衣所で泣いて…。

首も据わってないので焦らずゆっくり世話しようとしても、全身を真っ赤にして泣いている赤ちゃんを見ると痙攣を起こしたらどうしようかとドキドキします。でも変に動いて赤ちゃんを落としたりしてもいけません。

お風呂から出る時は一人ずつ部屋まで運ぶのですが、一人で置いて行くと戻ってくる時には全身を真っ赤にして仰け反って泣きわめいたりむせたり…赤ちゃんの為にやっているのか、泣かせるためにやってるのかと落ち込んでしまうんです。「一人だったら泣いていてもずっとあやしてあげられるのに」と、自分の体をぬぐうのもままならないまま、裸の双子を両腕に抱えてゆすって泣いてしまいました。

家庭の事情でこういった過酷な子育てを毎日しなくてはいけない人がいるということを思うと本当につらいです。

ーーこれまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。

おなかいぬ:同じ双子ママの先輩は、「お風呂の記憶がない」「通報されるんじゃないかと怖かった」とおっしゃってました。「本当に辛かったからそんなサービスがあったらいいのに」という声や、「そんなサービスがあればもう一人産めた」という声も頂きました。ボランティアでもいいからお手伝いしたいというママさんも。

また「リスクが金銭に見合わないから無理だ」「高齢者と赤ちゃんでは介護保険制度など条件が違う」という意見や、中には「タダでやれ」「厚かましい」など、言ってもないことに対し露骨に攻撃したり侮辱してくる人もいて精神が大変削られました。ですが沢山の方々が赤ちゃんのお風呂事情について考えてくれるきっかけになればと思い鍵をかけずに耐えた結果、まいどなニュースさんで扱って貰えて良かったです(笑)。

赤ちゃんはお金も仕事も持って産まれてこないので無一文です。出産可能年齢を考えても、介護保険制度みたいに潤沢な資金を調達出来るわけはないです。でも将来の社会を支えるのは今後産まれてくる赤ちゃん達なので、そのあたりは行政の支援が不可欠だなと思います。現状、地方自治体による支援は天と地の差がありますし、活用できるサービスも地域格差がとても大きいです。地域格差があることすら、産んで育てて困ってみないとわからないことが沢山ありますね。

◇ ◇

双子はおおよそ100分の1の確率で産まれるが、母体にとってハイリスクなことはもちろん、出産後の家庭は大きな経済的負担や身体的負担を抱えることになる。おなかいぬさんは今回の反響に乗じ、多くの人に多胎家庭の実情や支援の取り組みを紹介したいとのこと。おなかいぬさんは多胎家庭を支援するためのクラウドファンディングを実施中の「NPO法人つなげる」や兵庫県尼崎市の双子支援コミュ二ティ「尼崎ふたごLINE」を応援しているそうなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

おなかいぬさん関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/onakainu

「NPO法人つなげる」クラウドファンディング:https://readyfor.jp/projects/tatai-tsunageru

「尼崎ふたこLINE」ホームページ:https://amagasaki-futago-line.net

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