あなたの周りには子守りを押し付けてくる「困ったママ」はいませんか。育児から離れて休みたくなる気持ちは、誰しもが経験したことがあるでしょう。しかし一方的に子どもを預けてきたり、自宅を託児所代わりに利用してきたりするママは困りものですよね。知人ママから3人の子守りを押し付けられた経験があるさち子さん(保育士・30代)にお話を伺いました。
冬空の下、真っ暗になるまで取り残されて
私の知り合いのママ(Aさん)には5人の子どもがいます。上2人は小学校低学年、下3人は1歳・2歳・4歳です。最初の出会いは近所のコンビニでした。よく顔を合わせているうちにAさんの方から声をかけてくれるようになり、会えば話をする程度の関係になりました。
ある冬の日、Aさんの子どもたちと自分の子どもを、近くの公園で一緒に遊ばせていたことがあるのですが、突然Aさんから「ごめん、子ども見といて。10分くらいで戻るから」「あなた、保育士っていってたよね?資格あるなら小さい子も見れるよね?」と言われました。そしてAさんは、小さな子どもを3人置いて自宅に帰ってしまいました。その後は10分経っても戻ってこないどころか、あたりが真っ暗になっても公園に戻ってくることはありませんでした。
連絡先も知らない、自宅も知らない、身動きが取れなくて困っていたところ、ようやくAさんの息子さんがお迎えにやってきました。10分くらいであれば許容範囲ですが冬空の下、何時間も小さな子どもを預けられ非常に困惑しました。とりあえず自宅まで子どもたちを送って行き、今後こんなことがあると困るのでAさんと連絡先を交換しました。
「遊びに来たよ」「うつらないから大丈夫」
しかし連絡先を交換したのがよくありませんでした。それから朝の6時過ぎにAさんから着信が来るようになりました。まだ寝ている時間なのですが「なんで電話に出ないの?」「私は朝の4時には起きてるんだから朝の6時は電話してもいい時間だよね?電話に出て」「子どもたちを朝から遊ばせたいの」と一方的に述べられました。何度も寝ている時間だし、朝は忙しいから電話に出られないと説明しましたが、Aさんの理解は得られませんでした。
あるときは、朝の8時に子ども3人を連れて家へやって来ました。「遊びに来たよ」と言われて頭の中が真っ白になりました。家族がまだ寝ているだけでなく、その時娘が熱を出して寝込んでいたのです。「ごめんね、うつしたらいけないから、また遊ぼうね」とやんわり断ったのですが「いいよ、いいよ、うつらないから大丈夫」「部屋も汚くていいから家に入れて」といってなかなか引き下がらず…。とにかく今日は帰ってほしいと粘ってようやく引き取ってもらったのですが、また別の日の早朝に子どもを3人連れてやってきました。さすがにその時は居留守を使ってしまいました。
実は育児に疲弊していたのでは
子ども同士一緒に遊ぶ分にはかまわないのですが、子ども3人を置いて姿を消してしまうことにどうしても不信感が拭えません。私の自宅は託児所でもなければ、私は子どもたちの保育士でもないので、何か起きたときに責任が取れません。必要であれば託児所なり一時保育を利用すればいいのですが、「お金がない」とAさんから何度か相談されていたので、安易に勧めることもできませんでした。また「育児がしんどい、疲れた」としきりに口にし疲弊しきっているAさんがとても気になりました。
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もしかしたらAさんも、小さな子どもたちを預けてゆっくり休みたかったのかもしれません。なお、各自治体や各種団体が子育てに関する無料の相談窓口を設けています。身の回りに育児に悩んでいる人がいる場合、ぜひ窓口の存在を伝えてあげましょう。