皆さんはメッセージアプリの「グループチャット」機能をご存じですか。好きな芸能人や趣味などを通して、チャットの中で知らない人と会話を楽しむことができます。実際にチャットで使う名前やプロフィールは架空の設定で楽しむことができるようになっています。ただ、使い方によっては危険な目に遭遇することもあるようです。実際に7歳のお子さんがトラブルに巻き込まれそうになっためぐみさん(40代・関西在住)にお話を伺いました。
――7歳のお子さんはスマホを普段どのように利用していましたか?
電車通学のため電車が止まったときの連絡手段に使っています。また、お友だちにメッセージアプリを利用したり、専用アプリを使って塾の宿題をしたりしていました。今までは娘が自由に使えるようにしていましたが、グループチャットで被害に遭ってからは必要最低限しか使わせていません。
――グループチャットで危険な目にあったとのことですが…
私自身はグループチャットという機能自体、問題になるまで知りませんでした。娘は私の知らないところでグループチャットを3つ開設していました。他にも他人が開設した複数のチャットルームにも参加していました。
まさか7歳の子どもにチャットルームをつくれる知識や技術があるとは思いもしなかったので、とても衝撃を受けました。
グループチャットの利用が発覚したのは、娘が塾の先生にグループチャットの相談をしたことがきっかけです。普段はとても優しい先生なのですが、その時はかなり厳しい指導を受けたそうで、娘もさすがにこれはまずいと思ったのでしょうね。私に恐る恐るグループチャットをしていることを打ち明けてきました。
――具体的にどのようなトラブルが起きていたのか教えてください
娘のスマホを慌てて確認したところ、チャット内では女子小学生を装った男性が執拗に「私も見せるから裸を見せてほしい」「下着を見せてほしい」「どんなパンツ履いてるの?」といった卑猥な要求をたくさんしていました。
まだ7歳の娘には、男性が女性になりすましているという知識は当然ながらありませんでした。たまたま普段から「他人にプライベートゾーンを絶対に見せない、触らせない、名前も住所も教えない」ときつく言い聞かせていたので大事には至りませんでした。しかしもし何も言い聞かせていなければ、言われるがままに個人情報や下着、裸をネット上に投稿していたかもしれません。
さらには、女子中学生になりすまし「優しいお姉さん」のふりをして娘に近づいてきた男性もいました。娘に友だち登録をさせた後のやり取りでは、「裸の写真を送って」「本名教えて」「住所を教えて」といった一歩間違えれば犯罪に巻き込まれるような要求ばかりしていました。
私は不審なアカウントを通報。グループチャットは削除、退会するとともに、なりすましはブロックしました。
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本来であれば共通の趣味や話題を通して楽しく利用できるグループチャットですが、それを逆手にとって悪質な行為をする人がいるのは事実のようです。
グループチャットは年齢制限がありません。誰でも簡単に利用できるようになっています。小中学生は親に内緒でグループチャットを利用していることが多いので、親も子どもが犯罪に巻き込まれていても、気づくことが非常に難しくなっています。トラブルが起きても子どもは親に相談できずに一人で悩み苦しんでいるかもしれません。特に小さいうちはお子さまの身を守るためにも、フィルタリングサービスだけに頼らず、スマホの利用を常に確認するほうがよいでしょう。
また、めぐみさんがお子さんに伝えていたように「他人にプライベートゾーンを絶対に見せない、触らせない」「名前も住所なども教えない」といったことを徹底して教えてあげることも大切です。また、すでに犯罪に巻き込まれている場合は至急警察へ相談してください。