満点の滑り出し「ショートヘアの高木菜那」が初仕事 トークショーで大阪の不動産会社とコラボしたのは?

山本 智行 山本 智行

 18年平昌五輪女子スピードスケートの団体追い抜きとマススタートで日本女子初の2冠を達成し、22年北京五輪でも活躍した高木菜那さん(29)が10日、大阪市内のホテルでトークイベントに参加した。4月の引退発表後、実質的な”初仕事”となったが、食と住環境に対し、アスリート目線で提言するなど堂々とした受け答えで満点の滑り出し。オファーを出した住建側もニンマリだった。

 キュートな笑顔で存在感を見せつけた高木さんが、今回出演したのは不動産関連企業「第一住建ホールディングズ」(大阪市中央区)の創業50周年記念トークイベント。自身のインスタグラムで公開し、話題を呼んだシュートヘア姿で登壇すると「いままではスケートスーツを着る時に髪の毛を縛った方が、かぶりやすかったのでずっと長くしていたけど、ずっと、ショートにしたいなと考えていました。かわいく切っていただき、心も新たな気持ちになれたので、これからは『ショートの高木菜那』で進んでいこうかな」と笑顔をふりまいた。

 今回のイベントは「第一住建」が不動産のポータルサイト「INOVE」を立ち上げたことと、コロナ禍の学生支援のため、美と健康に関する5つのサービス 「INOVE+」(イノベプラス)が使える賃貸住宅の申込受付をスタートさせたことを記念してのもの。これは業界初の試みだそうで、その第1弾の物件が近畿大学の周辺になったことから世耕石弘・近大経営戦略本部長や卒業生のインフルエンサー、学生社長らと「生活をより豊かにする新たな暮らしのアイデア」などについて意見交換した。

 その中で、マイクを向けられた高木さんはアスリートとしての経験を生かして様々なアイデアを即答。「ひとつの場所で効率良く『練習』と『食事』と『ケア』ができるアスリートビルディング」を提案した。

 「コロナ禍で一般の方々も家の中で運動をする人が増えていると思う。気兼ねせずにジャンプしたりストレッチできればいい。防音がしっかりしていると、気持ちを楽にトレーニングに臨める。それに食事の栄養管理もすごく大事で、マンションの1階にリーズナブルに栄養をバランス良く取れる場所があれば、ありがたい。さらに心のケアも大切。オフの時に、人目を気にしなくてもいい場所があれば、もっとリラックスできるのでは」

 現在はホテル暮らしが続き、まさに家探しをしているところ。「水回りや収納スペースは気になりますし長期で家を空けるようなときはスマホで部屋を確認できたらうれしい」と持論を展開する一方で、現状や今後の展望についても打ち明けた。

 「引退して何でも食べていいとなると太っちゃうかなと思うので、どうしたら太らないか。いまはコンビニが中心ですが、そのなかで、どう選べばいいか。悩んでいる人や単身赴任の方など一般の方々にスポーツや体を動かす楽しさを伝えていければと思う。食事はすごく大事だし、すごく楽しみな部分でもあるので、そのためにも栄養管理などいといろと勉強したい。具体的には考え中です」

 今年2月の北京五輪。連覇がかかった団体追い抜きでは金メダルまで、残り60メートル地点で転倒した。「まだ心の整理ができていない。いま思い出してもつらい気持ちが心を占めてしまう」と、振り返りつつ「北京五輪だけを見れば、つらいことだったかもしれないけど、スケート人生には楽しいことやうれしいことがたくさんあった。すべてを受け止め、向き合っていけば新しい自分になれるのかな」と自分に言い聞かせるように話した。

 学生へのメッセージを聞かれると座右の銘の「努力することに無駄なことはひとつもない」にちなんで「努力したこと全てが結果につながるわけではないし、叶わないこともたくさんある。けれど、努力したことが5年後、10年後にきっと役に立つ。努力することや目標に立ち向かうことを最初から諦めないでほしい。諦めるのはもったいない」とエールを送った。

 これには、出演オファーを出した第一住建の松尾武代表取締役も感心しきり。「私たちは次の50年に向け、スタートしたところ。高木菜那さんも人生の新たな出発と言うことで、お声を掛させていただきましたが、心に残る言葉ばかりでした。住まいの提案についても大変参考になりました」と話していた。

 ショートヘアの高木菜那さんは出演後に「今回はスポーツ以外の“家”の話ができて、新しい自分が出せたのかな、と思います」とのことだったが、この感じなら今後の活躍の場はどんどん広がりそうだ。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース