星降る天の川、心が洗われる
Twitterに投稿された天の川の写真が注目されました。「高知県のとある桃源郷の夜、花桃と天の川の絶景をタップして見て欲しい」というつぶやきの通り、そこには幻想的な世界が広がっていました。幾千万もの星が輝く光景に、「日本にこんな幻想的な場所があるんですね、花と星って美しさのカップリングですね」、「心が洗われるような気分になりますね!」、「最高ですね、彼女といきたい所No.1」といった反響があり、「いいね」は1.6万件を超えました。
都会では“光害”で天の川が見えない
撮影したのは、あゆさん(@auki999)。プロのカメラマンを目指しながら、今はレコーディングエンジニアをしています。高知県吾川郡仁淀川町まで足を運んで撮影したという天の川。撮影者にどんな風に撮影したのか聞いてみました。
ーー都会では天の川を見ることができませんが、どんなところに行けば見られるのでしょうか。
「天の川は、環境や時間帯、天の川が出てくる方角さえ抑えておけば、年中見られます。肉眼で一番良く見えるのは夏、月が夜空に出ていない日とも言われています。湿った空気の日(曇りの日)には見えにくく、街の街頭など明かりが密集している地域では、天候に関係なく光の光害で見ることができません」
ーー山の麓に見える光も天の川のきらめきを引き立てていますが、これは?
「山道を走る車のライトが湿った空気(濃霧)に反射して自然に出来たものなのだそうです」
ーー花桃はどんな花なのですか?
「バラ科のサクラ属の植物です。桃の花ではありません」
減光フィルターが美しい夜空の撮影に欠かせない
ーー撮影にあたって工夫されたことはありますか?
「こちらの写真は花桃が暖色系の街頭に照らされているため、レンズにハーフNDフィルター(減光フィルター)をかましています。風景の暗い部分と明るい部分の差が大幅に出ている時によく使います。星系写真(星と風景)を撮る場合、街景色を写して、さらに空の天の川をより濃く撮ろうとすると必然的に長秒露光になります。街明かりの輝度によってはかなり白飛びしたり、写真自体がかすんだりするので、1枚ハーフNDフィルターを用いて、夜空はノンフィルター側で、街灯は減光フィルター側にすると、上手風景の調光差を狭めることができるのです。今回は、花桃側を減光し、夜空はノンフィルターという形でハーフNDフィルターを用いました」