陣痛があり、産院に向かうためタクシーに乗車。運転手さんの「着きましたよ!」で外を見ると、なんとそこはお墓だった…。
嘘のような本当にあったこのエピソード。ツイッターで、ちびかり0m(39w0d)さん(@kamome2574)の投稿が話題です。陣痛が始まり陣痛タクシーを利用したところ、なぜか墓地に到着。ドキッとする間違いですが、ちびかりさんは怒るどころか笑ってしまったそうです。ほかのユーザーからは「ホラーの導入かと思った」「こういう人が好きだし、こういう人になりたい」「ポジティブな方で良かった…」と驚く人、ちびかりさんの寛容さに脱帽する人が続出しました。
陣痛タクシーとはその名の通り、陣痛が来た妊婦さんが病院まで向かう時のタクシー。事前に登録しておけば陣痛時に優先して乗車できる、登録した住所にスムーズに来てくれるというものです(会社により運賃やサービスは異なります)。陣痛タクシーを利用して、無事に元気なあかちゃんを出産されたというちびかりさんに、当時のお話を伺いました。
ーー陣痛タクシーには事前に登録を?
「はい、その通りです。陣痛タクシーという制度は、電話番号と住所をあらかじめ登録しておいて、こちらがその時に名前と住所を伝えなくても、すぐに来てくれるという内容で、無料の制度ではありません。『陣痛タクシー登録してたんですが』と電話したら『はい、向かいます』とだけ言って来てくれましたので。運賃に関しては、うちの産院がたまたまタクシー代を出してくれる産院でした」
ーー一タクシーでの流れを改めて教えていただけますか。
「私自身、陣痛タクシーのルールをよく知らず、数ヶ月前に事前に登録する時に、目的地の病院などは聞かれなかったため、行く時に伝える感じなのかな?というくらいの感覚でいました。そしていざタクシーに乗る際、『陣痛タクシーですよね?』と聞いたところ、お爺ちゃん運転手さんに『ちび谷(仮名)さんですよね?この住所の(マンション)』と言われ、この時点で『あれ?名前と住所しか把握されていないのかな?』と。今思えば違和感はありますが、はじめての陣痛に慌てていたので気になりませんでした。
何か間違いがあると困るため、念のため産院がくれたタクシーチケットを見せました。『これなんのチケット? 愛のタクシーチケット、ああ使えますよ』と少々時間がかかったのち行き先を聞かれ、病院名を伝えました。運転手さんが『どこだ?』という感じだったので、高速に乗る道なので間違いが無いよう、スマホで地図検索してスマホごと渡して住所を見せました。運転手さんがナビに住所を登録し、発車…という流れでした」
ーーそしてお墓に着いたんですね。
「お墓に着いたときは、私はお腹にいる赤ちゃんの胎動がちゃんとあるか確認することに必死で、『ここ…ですかね?(ゆっくり墓場に入りながら)』と言われて、初めてその場所(お墓)に気付きました。運転手さんも若干引いている感じで、私も『あれ、え、違いますね…』と。ナビの番地が間違っていたことに気がついて改めて産院へ向かいました。
運転手さんは謝って、凄く申し訳なさそうにしていたので逆になんだかかわいそうに思えてきて。そんなに慌てて行かなくても充分間に合う状況だったので、『大丈夫ですよ、(産院からのチケットで)お金は全然足りてるので』と励ましました。産院からもらったチケットで15000円分無料で乗れて、その時のメーターは5000円ほどでした」
ーー無事到着してよかったです。移動時間はトータルでどれくらいかかりましたか?
「20分で行ける道をプラス10分、なので計30分かかりました」
ーー4万いいねがつき、大きな反響となりました。感想を聞かせてください。
「墓場からUターンして向かう時点で、あまりにも真逆の場所だったので、不謹慎で息子には申し訳ないのですが、完全に笑いのツボに入ってしまいました。とりあえず、変な人と思われないようにだけは意識しながら、声を殺して爆笑しており、マスクのご時世に感謝でした。面白すぎて陣痛も忘れるくらいでした(運転手さんは焦ってたので多分笑っていたのはバレてないかと)。
はじめての出産で子どもを無事産めたこと自体が自分にとっては充分大ニュースで、本来それだけで満足なのですが、みなさんからのシャレの効いた面白いコメントや、中には息子への暖かいメッセージまでいただけて、息子の運の良さに本当に感謝です(運がいいというのか分からないけど笑)。ただ、これ以上強運すぎても怖いので、ほどほどにしてくれという思いもあります。笑」
ーーさまざまなリプライがありました。
「やっぱり『始まりの場所と終わりの場所逆!』とか、『これが本当の揺り籠から墓場』までとか、自分では思いつかないようなセンスあるコメントで印象に残りました」
ーーその後、息子さんはお元気ですか?
「とても元気です!」
◇ ◇
お墓に着いたときはどうなるかと思いましたが、無事元気にお子さんが生まれたそうで良かったです。
「以下個人的な話で聞き流していただいていいのですが、3月から臨月に入っておりこの時期の妊婦はみな4月生まれになるかで学年の問題、保活(保育園に入れるための保護者の活動)の問題などでソワソワしている中、息子は4月に来てくれて。
しかも、分娩当日は追加の深夜料金や土日料金のかからない平日の日中、また分娩開始から15分弱のスーパー安産で産まれてくれて、本当に今も手がかからずいい子で、どれだけ親孝行な子なんだ…と旦那と驚いています。妊娠している方や子育て世代のみんながめちゃくちゃ理想としている条件なんです。息子の運の強さに驚いています」と、お墓の話以外にも強運なエピソードを聞かせていただきました。息子さんのこれからが楽しみです!
また前述の通り、陣痛タクシーのサービスや運賃は会社により異なります。年末年始や大型連休の際は混み合う場合もあるので、複数のタクシー会社で登録する妊婦さんも多いそう。一部地域ではサービス自体がない場所もあるので、出産前に余裕を持って調べて登録しておけば安心ですね。