「もう諦めなくていい!隠さなくていい!」障がい者サッカーをする人が増えている 日本代表選手が伝えたいメリット5選

小林 耕平 小林 耕平

日本は、野球や相撲が日本の中でも昔から人気ですが、最近では、サッカーも人気があるスポーツのひとつです。1993年J リーグが開幕したことをきっかけにサッカー人気は急上昇し、環境の面が整備されてきました。10数年前は土のグラウンドでサッカーをするのが当たり前でしたが、今では子供たちも、天然芝や人工芝で当たり前のようにサッカーをし、チーム数も増えてきました。では、障がい者がサッカーをする場所はどうでしょう。

障がい者がサッカーをできるか?

障がい者がサッカーをできるか、という問いに対して、私は「はい」と答えます。意外かもしれないですが、障がい者サッカーのチーム数は増えつつあります。今回の記事では、障がい者のサッカーチームで所属するメリットについてご紹介します。

私は、発達障害やうつ病を抱えている28歳です。22歳の時に、障がい者サッカーチームに加入し、現在6年が経とうとしています。この6年間で様々な経験をしました。チームに加入し継続的に活動したことや、全国大会に出場したこと、日本代表に選出され世界大会に出たことなど多くの経験を積みました。

私が、実際に障がい者サッカーチームに所属している経験を元に、障がい者サッカーチームに所属するうえで、どのようなメリットがあるかご紹介していきます。なぜなら、チームに所属する目的があった方が、チーム探しをする際に納得のいくチームを探すうえで指標になるからです。今回の記事が障がい者サッカーチームに所属するメリットを知るうえでの、参考になれば幸いです。

1.同じ障がいの仲間に出会える

障がい者サッカーチームでは、あなたと同じ障がいを抱えた仲間に出会えます。なぜなら、障がい種別で分かれているからです。精神障がい▽切断障がい▽視覚障がい▽脳性麻痺▽知的障がい▽重度障がい等▽聴覚障がい―の7つの障がいに対応しており、7つの中から、あなたの障がいに合った障害者サッカーチームに参加すれば、同じ障がいを抱える仲間に出会うことができます。実際に参加してみて、仲間を見つけに行きましょう。

2.スポーツができる喜びが手に入る

障がい者サッカーチームに所属すると、スポーツができる喜びが手に入ります。今まで障がいを理由に、スポーツをする機会が少なかった方も、チームに所属することでスポーツをする機会が増えます。また、障がい者サッカーは何歳からでも始めやすいというメリットもあります。チームに所属してから、初めてサッカーをしたという選手もいます。中には30代後半からサッカーを始める方もいます。経験者、初心者関係なくサッカーを行うので、参加することによってスポーツができる喜びが手に入るでしょう。

3.悩みが共有できる仲間と出会える

障がい者サッカーチームでは、悩みを共有できる仲間と出会えます。なぜなら、あなたと同じ障がいを抱えているからです。同じ障がいを抱えていると、似たような悩みを抱えている可能性があります。また、悩みなどを解決してきた経験がある方もいます。

私自身も障がい者サッカーチームに入団してからは、今まで誰にも言えなかった悩みなどを相談し、気持ちが楽になったり、悩みが解決したりできました。なぜ問題が解決したかと言いますと、同じ障がいを抱えているのに加えて、共に過ごした時間が信頼を生んでいるからです。

4.運動をする習慣ができる

障がい者サッカーチームに入団することで、定期的に運動を行う習慣ができます。

チームによって活動頻度は、違います。週に2回行うチームもあれば、月に1回というチームもあります。ですが、定期的な運動の場は、日常感じているストレスからあなたを解放し、ストレス発散の場として、気持ちをリフレッシュすることができます。同時にメタボリックシンドロームなどの、生活習慣病の予防になる効果も期待されます。

私自身ひとりで運動するのは苦手なタイプです。しかし、みんなでサッカーをすることでひとりではなくなり、私自身も運動する習慣を手に入れることができました。

5.ポジティブな気持ちで生活ができる

運動をすると、ポジティブな気持ちが生まれてきます。なぜなら、厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、身体活動が将来的な疾病予防ではなく、気分転換やストレス解消に繋がり、メンタルヘルスの不調を改善するために有効であるとされているからです。

さらにハーバード大学の研究によると身体活動の多い人や運動を頻繁にする人は、うつ病の罹患率が20〜30%低いことが報告されています。それは、運動習慣が身につくことで、ストレスによって憂鬱な気分になることや、過度なストレスホルモンの分泌を抑えるからです。また、うつ病の予防をする効果もあります。

家族や職場以外のコミュニティの人たちと、コミュニケーションを取ることで気分もリフレッシュされます。私自身も仕事などで考え込むことが多くても、チーム活動でチームメイトと顔を合わせることで、気分がリフレッシュされた経験は一度や二度ではありません。

障がい者がサッカーチームに所属するのはおすすめ

今回の記事では、障がい者サッカーチームに所属するメリットについてご紹介しました。

メリットに感じる部分は人によって違う部分があると思います。人それぞれですが、あなたの望みを叶えてくれるチームはあります。

障がいを抱えているからと言って、サッカーを諦めていた人もいると思います。私の周りにも障がいを抱えているからサッカーは諦める人が居ました。しかし、それでも障がい者サッカーチームがあることを知り、障がい者サッカーチームに所属し、障がい者サッカーチームの活動を通じて、人生を楽しんでいる人たちを私は知っています。

今回の記事が、あなたの障がい者サッカーチームを探すうえで参考になれば幸いです。

◆小林耕平(こばやし・こうへい)1993年生まれ。自閉症を抱えている障がい者。22歳から障がい者サッカーを始める。障がい者サッカーに打ち込み、現在は日本代表候補に選出され、世界を目指し活動。株式会社ジルベルト所属のライター。

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