最近は「リレーアタック」などによる自動車盗難の被害が多発していますが、どんな自動車がよく盗まれたのでしょうか。日本損害保険協会がこのほど発表した「第23回自動車盗難事故実態調査結果」によると、2021年の車名別盗難ワースト1はトヨタの「ランドクルーザー」でした。
全国で発生した自動車の車両本体盗難事故および車上ねらい(部品盗難含む)事故で、2019年1月1日から2021年12月31日までの3年間に発生し、保険金の支払いを行った事案を対象に集計したそうです。調査対象となっている損害保険会社は21社です。
2021年の「車両本体盗難の車名別盗難状況」は、件数が多い順に「ランドクルーザー」(331件)、「プリウス」(266件)、「レクサスLX」(156件)といった結果になりました。
ランドクルーザーは2019年、2020年にワースト2位(426件・275件)、プリウスは2019年、2020年にワースト1位(526件・383件)となるなど、車両本体盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が続いているそうです。また、2021年のワースト10車種合計1221件のうち250件と、約20%をレクサスブランドが占めており、そのうちレクサスLXが156件と盗難件数が最多となっていたそうです。
また車両本体盗難1件あたりの「平均支払保険金」は、2019年が208万円、2020年が225.7万円、2021年が236.9万円と、増加傾向が続いているといいます。
2021年の「車両本体盗難の発生時間帯」については、「深夜~朝(22~9時)」が55.2%を占め、最も多くなっていました。次いで、「日中(9~17時)」(29.0%)、「夜間(17~22時)」(8.7%)という結果になりました。窃盗犯は深夜から朝にかけて薄暗い場所で窃盗に及ぶ傾向があることが伺えたそうです。
盗難等防止対策について、調査を行った同協会は「普段から『バー式ハンドルロックや警報装置などの盗難防止機器を使用する』『防犯設備が充実した駐車場を利用する』『貴重品は車内に放置しない』など、複数の防犯対策を講じることが有効です。また、自宅の駐車場でも安心せずに、防犯カメラや防犯灯などを利用して窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらくすることも重要です」と述べています。