都内の主要駅が並ぶJR山手線ですが、比較的リーズナブルに中古マンションが探せる駅はどこなのでしょうか。株式会社リクルートが運営するニュースサイト「SUUMOジャーナル(スーモジャーナル)」が、「JR山手線の中古マンションの価格相場の安い駅」を調査したところ、シングル向け物件(専有面積20平米以上~50平米未満)1位は「田端駅」で、価格相場は「3190万円」でした。また、カップル&ファミリー向け物件(専有面積50平米以上~80平米未満)の1位は「鶯谷駅」で価格相場は「5380万円」だったそうです。
2021年10月~12月の期間に、不動産情報サイト「SUUMO」に掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)を対象に調べました。対象物件は、「駅徒歩15分圏内」「物件価格相場3億円以下」「築年数35年未満」「敷地権利は所有権のみ」となっています。
【シングル向け中古マンションランキング(専有面積20平米以上~50平米未満)】
▽1位:田端駅 価格相場:3190万円
北区にある唯一のJR山手線の駅である「田端駅」は、北口と南口で印象が大きく異なる点がおもしろい駅となっています。南口は小さな駅舎がぽつりと佇むのみで、商業施設などは見当たりません。一方の北口には駅ビル「アトレヴィ田端」が併設され、スーパーやドラッグストアに雑貨店、カフェ、レストランなどが3フロアに並んで賑わっています。
駅前に出てみるとスーパーが点在しているので、日常品の買い物には困らない環境といえそうです。また、田端には明治後期から昭和初期にかけて文士や芸術家が多く住んだという一面もあります。駅から徒歩5分ほどのところにある芥川龍之介旧居跡に、記念館を開設する計画もあるそうです。
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なお、同サイトが注目している駅は8位の「田町駅」。カップル・ファミリー向けだと17位で特別にリーズナブルではないので、シングル向け物件に限ってお得感がある価格相場になっていると言えそうです。田町駅は港区に位置し、駅東側には芝浦ふ頭やレインボーブリッジなど湾岸エリアが広がっています。駅周辺には大手企業の本社をはじめとするオフィスビルが多く、イタリアやボツワナ共和国などの大使館も点在。近年は高層マンションも増えているのも特徴です。
また、田町駅のすぐ前にある東京工業大学・田町キャンパスの再開発が2021年に発表されたのも注目ポイントです。同敷地には2030年の開業を目指して、産官学連携施設に商業施設、ホテルなどからなる地上36階建ての複合施設が建設される予定。ますます街の価値が高くなりそうなので、価格相場にお得感がある「シングル向け」物件を探すなら今のうちが狙い目かもしれません。
【カップル・ファミリー向け中古マンションランキング(専有面積50平米以上~80平米未満)】
▽1位:鶯谷駅 価格相場:5380万円
カップル・ファミリー向けで価格相場が最も安かったのは、台東区にある「鶯谷(うぐいすだに)駅」。価格相場は5380万円。「シングル向け」では3位になっています。鶯谷駅は小ぢんまりとした無人駅で、1日の乗車人員はJR山手線では高輪ゲートウェイ駅に次いで2番目に少ない駅(JR東日本「各駅の乗車人員 2020年度」より)です。
JR山手線の内側にあたる南口側には寛永寺の敷地が広がり、その先には東京国立博物館や国立科学博物館、上野の森美術館を抱える上野公園といった文化施設が集まっています。駅北口側には飲み屋街があり、そこを抜けると浅草へと続く言問通りにぶつかります。スーパーやコンビニ、飲食店が並ぶ通りを越えると、小学校や幼稚園もある住宅街へ。昔ながらの一戸建ても多いですが、中層~低層マンションも点在。博物館や美術館が目当ての人は1駅隣の上野駅を利用することが多いため、駅の乗車人員が少なく駅前も賑やかな雰囲気という感じではないですが、落ち着いて暮らしたい人に向いている駅かもしれません。
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調査を行った同社は、「山手線で安く中古マンションを探すなら「北半分」に注目してみるといいかもしれません。また価格だけではなく自分のライフスタイルに合わせて住まい探ししてみてください」と述べています。