「多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業制作では目玉焼きを作りました。コンセプトは『個性を愛する』です」と、投稿された目玉焼きの作品が話題になっています。
作品を作ったのは、この3月に多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業される圓井誓太 | Seita Maruiさん(@SeitaMarui)。大学の卒業制作として作られました。
「几帳面」「小心者」「上品」「パンク」など、多様な人の性格になぞらえながら、さまざまな形の目玉焼きが並べられています。
なかには、「実際には作れないでしょ」というものや、「作れるのなら作ってみたい」などと思ってしまうものまであります。
多くの人が、よく朝食に作って食べている目玉焼き。綺麗にできると嬉しいものですが、たまに失敗して形がいびつになったり、黄身がつぶれて固まってしまったり、といったこともありますよね。
「見た目は違えど、そこに個性の愛しさのようなものを発見」したという圓井さん。それが卒業制作のテーマになったといいます。
「誰もが個性を愛するきっかけとなりますように」
作品に「誰もが個性を愛するきっかけとなりますように」との願いを込める圓井さん。その想いが反映されているかのように、既成の枠にとらわれずのびのびと自由な姿をみせる目玉焼きの数々に、リプ欄でも多数のコメントが寄せられています。
「めだまやきってどうしてこんなに目を惹かれるのか」
「個性があってどれもいいなあ」
「シールとかメモ帳で欲しいなぁ」
「可愛くてアーティスティックで最高です。キーホルダーにして持ち歩きたいです」
共感や称賛のほか、グッズ化を希望する声もありました。投稿した圓井さんに聞きました。
――とてもユニークな作品ですね!アイデアはどのようにして生まれたのでしょう?
圓井さん:「個性を表現する」というアイデアの種は、目玉焼きを毎朝作るという私のルーティンから生まれました。実は目玉焼き以外にも、鯛焼きにしようか…など、モチーフについてはいろいろと検討したのですが、やはり最初に気づきを得た目玉焼きを取り上げることにしました。
――「目玉焼きの形」のコンセプトとなった性格については?すべてご自身で考えたのですか?
圓井さん:私の実際の友人や家族を思い浮かべて作ったものもあります。そういう意味では、すべて自分で考えたわけではないのかもしれませんね。
――目玉焼きはどのように作られたのですか?また苦労されたところはありましたか?
圓井さん:作り方の手順は、「1.樹脂粘土で黄身部分と白身部分を分けて作る」「2.着色し、合体させる」「3.ニスを塗り、乾燥させる」です! 苦労したことは、作品のコンセプトに関わる部分になるのですが、「この作品を見た人が少しでも個性に対してポジティブに考えることができるのか」とじっくり考えたことです。私自身も就活などで個性について悩むことが多かったので。
――作品の根幹の部分ですものね。そんな苦労も経て発表された作品ですが、先生や周囲の反応は?
圓井さん:ありがたいことに先生には高い評価をいただきました。また、普段美術などに慣れ親しんでいない人たちにも興味を持っていただけ、とても嬉しかったです。
――ご自身が気に入っている目玉焼きの形などありますか?
圓井さん:すみません、「お気に入り」というと個性に優劣をつけることになってしまうので…。でも、全て愛おしいです。
写真家としても活動される圓井さんの今後は?
「個性を愛する」というテーマで卒業制作をされた圓井さんですが、実は写真家としても活動されています。
フィルムを使って撮影した作品には、どこかノスタルジックで温かみが感じられ、印象的です。
撮った写真はTwitterでも紹介されていますが、Instagramをメインに投稿されているとのこと。今後、どのような活動のビジョンを描かれているのでしょう。
――今回の卒業制作は、写真家としての活動にも関連したり役立ったりする部分もあるのでしょうか?
圓井さん:人を撮影する際など、その人の個性の魅力を見つけることが大切だと私は思うのですが、今回の卒業制作を通して、より人の魅力を見つけることの大切さを学びました!
――今後の進路や写真家・アーティストとしての活動について教えてください。
圓井さん:大学卒業後はデザイナーとして働きます。写真家としても活動は続けますが、一つに固執するよりは色々なことをしたいと思っています。今は映像にも興味がありますね。毎日がちょっと楽しくなるような物作りはずっと続けたいです!
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