雪がうっすら積もる早朝。工場の敷地内に、仲むつまじいキツネが2匹-。京都府長岡京市開田1丁目の三菱製紙京都工場で1月中旬、防犯カメラがキツネの姿を捉えた。「お稲荷(いなり)さん」のほこらがある植え込み付近から姿を現しており、工場関係者は「もしかして、神様の使いでは」と驚いている。
長岡京市によると、キツネの目撃情報は、西山周辺を中心に市内でたびたびある。片方のサンダルや靴ばかり集めるといった、キツネの仕業とされるいたずらも起きているが、中心部で映像に記録されるのは珍しいという。
工場によると、1月14日午前5時過ぎ、掃除しようとほこらに近づいた保安担当職員が、キツネの逃げる姿を見かけた。同僚に「こんな街中で見間違いだろう」と言われ、近くに設置された防犯カメラの記録を確認した。
記録は50秒ほど。フェンス前の広場に、キツネ2匹が連れ立って現れた。1匹は地面のにおいをかぎ、周囲を警戒。もう1匹は、座って休んだり、工場前の道路をトラックが通った瞬間にビクッと反応したりする姿が見られた。やがて、工場の敷地の奥に足早に去った。
工場のほこら前には、少しこわもてのキツネの石像2体設置されている。総務グループリーダーの山本康史さんは「姿を見せたキツネも2匹と験がいい。何か良いことが起こると良いのですが」と話していた。