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大ケガで後ろ足を切断した元野良の子猫 1年経って甘えん坊に、犬派だった夫婦が猫派になった

渡辺 晴子 渡辺 晴子

今年8月で3歳になる豆太くんは、元野良猫でした。2019年11月、あきひろさん夫婦(静岡県在住)の自宅の庭に迷い込んできました。豆太くんは、当時生後7カ月くらいの子猫。左の後ろ足に大ケガを負い、3本足で歩いていたといいます。 

「当時ペットを飼う予定は全くなく、我が家は犬派だったこともあり子どもが高校を卒業したら、何となく犬でも欲しいなとは思っていました。実は、どちらかというと猫は嫌いで(苦笑)。洗濯物を干していた妻から庭のウッドデッキの下に野良猫がいる!ということだったので家に住み着かれたら大変だと、すぐに追い出さなきゃと思っていたんですが・・・妻が足のケガに気付きました。どうするかいろいろ悩みましたが、放っておくことができず。ボランティア団体に相談しました」(あきひろさん)

手術後、3本足の子を外に放すことはできなかった

TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)活動などに取り組むボランティア団体に相談したところ、まずは動物病院でケガの状態を診てもらおうと捕獲器を使って保護。病院に連れて行きました。

「豆太くんの左の後ろ足は、いわゆる開放骨折といわれるもので骨が見えている状態でした。ケガの原因は猫同士のけんかで負ったものではないようでしたが、はっきりとは分からず。ケガをしてから何日か経っていたので、治すのは無理だと言われて。足を切断することになりました」(奥さん)

左後ろ足以外はどこも悪くなかったという豆太くん。即日切断、去勢手術を一緒にやってもらい、次の日は退院へ。また豆太くんは獣医師からの勧めもあり、地域猫としてお世話をしていこうとリリースする予定でした。しかし、あきひろさんたちはそれができなかったといいます。

「リリースを勧められたのは、豆太くんは目が合っただけでシャーシャーと威嚇して全く人慣れしていなかったからです。なので、サクラカットもしてもらい、地域猫として餌やりをしながら見守っていくつもりではありました。退院の際には抗生剤も2週間ほど効くものを打ってくれて、『このまま帰ったらリリースしていいよ』と言われたのですが・・・どうしても3本足の子を外に放すことはできなかったんです」(奥さん)

全く触らせてもらえなかった猫が甘えん坊に

こうして豆太くんはあきひろさんたちの家族に。最初は、豆太くんをケージの中に入れてお世話をしていました。

「来たばかりのころは、シャーシャーいっていましたが・・・数日後には、私たち家族も動物が家にいるのはいいなとふと思うようになりました。最初は直接なでることができず、猫じゃらしをケージの外から入れて体をなでていました。ケージの外からちゅーるをあげると叩かれたりしたこともあります(苦笑)」(あきひろさん夫婦)

おうちに迎えた当初は、全く触らせてもらえなかったというあきひろさん夫婦。それだけ豆太くんの警戒心が強く、何回も心が折れそうになったとか。

そんな豆太くんも徐々にあきひろさん家族に心を許すようになりました。保護してから2カ月も経たず、あきひろさんたちは豆太くんの体や顔を触れるように。さらに、ゴロゴロと喉を鳴らすようにもなったといいます。

保護してから3カ月ほど経った翌年の1月には、豆太くんをケージの外に出してみましたが、すぐに動き回ることはせず・・・部屋の中も徐々に慣れていったそうです。そして保護から1年ほど経過して、豆太くんに変化が見られました。

「怖がりで警戒心が強かった豆太くんでしたが、少しずつ甘えん坊さんになりました。私の後をついてくるんです。行くところについてきます。それに、なでられるのが大好きになって擦り寄ってくるんですよ。かなり変わりました」(奥さん)

1匹だけだと寂しいと、新たに猫を家族に迎えた

豆太くんがあきひろさん家族に慣れて甘えん坊さんになったのも、新たに家族になったゴマちゃん(2歳・雄)の存在でした。

「ゴマちゃんをおうちに迎えたのは豆太くんが来てから3カ月ほど経ってから。ボランティア団体が保護した猫でした。ゴマちゃんはとっても人懐っこい子。ボランティアの方から『人懐っこい子を飼うと、この子(豆太くん)も慣れるよ』と言われたこともあり、また1匹だけだと豆太くんも寂しいだろうからと、もう1匹飼うことになったんです」

今では保護した子猫のお世話をする“兄猫”に

2匹はすぐに仲良くなりました。「豆太くんも仲間ができてうれしかったのか、2匹でいるときは楽しそうにしていて。本当に迎え入れて良かったと思います」とあきひろさん。そして、豆太くんやゴマちゃんたちをおうちに迎えたことなどをきっかけに、奥さんもミルクボランティアとして、保護猫のお世話をするようになったといいます。

「豆太くんは預かった猫たちのグルーミングをしてくれたり、寄り添って寝てくれたりととても面倒見がいいです。一緒にお世話してくれるので大変助かっています」

3本足でも、元気に過ごしているという豆太くん。今ではあきひろさん家族の一員、欠かせない存在として大切にされています。

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