「米袋メーカーです…どなたかお知恵を」悩める社長のTwitter投稿に1000件超のコメント殺到

金井 かおる 金井 かおる

 「どなたかお知恵を拝借できないでしょうか?」ーーこんな投稿が今、Twitterで注目を集めています。投稿主は梱包資材メーカー「シコー株式会社」(本社、大阪市北区)代表取締役社長の白石忠臣さん。Twitterでの呼びかけに対し、ユーザーからは1000件を超えるコメントが寄せられ「びっくりしています。素直に驚いています」という白石社長に話を聞きました。

コメント1000件超「勉強になりました」

 同社は主に、工場と工場の輸送に使う紙袋などを製造。米袋のほか、小麦用の紙袋や化学品用のプラスチック製袋などを手がけています。そんな中、考えあぐねていたのが、米袋専用機械のシーズンオフの間の使い道でした。

 そこで白石社長は2月15日、自身のTwitterアカウント(@Tadaomi19)を更新。「弊社は米袋(30kg)を製造しているメーカーです。専用の設備で米の収穫時期に合わせて半年程度(4月〜10月)の稼働です。閑散期にできるお仕事はないかと袋の気持ちになって考えてましたが答えは出ませんでした。どなたかお知恵を拝借できないでしょうか?」と投稿しました。投稿は瞬く間に拡散。スマホの通知が鳴り止まず、1週間でいいねの数は2.4万超、コメントの数は1000件を超えました。

 まいどなニュースは21日、白石社長にZoomでインタビュー取材を行いました。

 白石社長は投稿した理由について「用途開拓で苦戦している営業の一助となればと軽い気持ちで投稿しました。反響の大きさに驚いています。皆さんにとって米袋が身近な存在なのでイメージしやすかったようですね。そして良い製品だとおっしゃってくださる方が多くて本当にうれしかったです」と率直な思いを語りました。

 Twitterでは普段から、こんなにも多くのビジネスアイデアが集まるのでしょうか。白石社長はいやいや、とかぶりを振り「初めてです」。重複したものなどを整理すると、個人への直販や猫用グッズ、アウトドアギアなど、ざっと50件近いアイデアになったそうです。

 「面白いものがたくさんあり勉強になりました。成果につながるかどうかはわかりませんが、いろいろ取り組みたいです。キャンプ用のゴミ袋、お酒などビン類の輸送容器として、あとアーティストの方や猫の飼い主さんともやりとりしました」

 面識のない海外在住の人たちからもアイデアが寄せられました。

 「印象に残るのは、UAE、メキシコ、アメリカ、台湾、イギリスなど世界中にいらっしゃる方々からご意見をもらえたことですね。特にUAEの方からは現地のマイクロプラスチックの課題を米袋で解決できないかというアイデアなので素晴らしいなと思いました。正直、自社の設備稼働しか考えていなかった自分の器の小ささを感じました」

 ちなみに投稿に添付した写真で米袋をかぶり「袋の気持ちになって」考えているのは白石社長。撮影は同社の営業担当者が行ったそうです。

 「プライベートのアカウントが仕事関係の方々に認識されたことは恥ずかしくもあります。こんなことになるなんて思っておりませんでした。皆様のご協力にただただ感謝です。何か成果つながった場合はシェアします」

 集まったアイデアは次回の社内会議で共有する予定だそうです。Twitterでのアイデアが成果につながるのか、今後の展開が見ものです。

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