世間では「ホストやキャバクラなど夜のお仕事は若い子だけのもの」といった印象があります。しかし実際はそうではありません。今まで遊んでいたお客さんも一緒に年齢を重ねていることが関係し、30代以上の需要が増加中です。また、若いお客さんが安定感のあるお姉さん・お兄さんを求めて指名する話も珍しくありません。
さらに、デビューそのものは遅いけれど、若いキャストに負けず売れっ子ルートを歩むお姉さんも一定数います。
そんな遅咲きナイトワーカーのユキコさん(仮名・46歳)が夜の世界へ飛び込んだのは35歳の時。採用年齢ギリギリで面接を突破し、それ以来ランカー(ランキング入りするキャストのこと)の立場を守り続けて約10年の時が過ぎました。
右も左もわからない素人時代
OL時代にスナックのアルバイトを経験済みだったユキコさんですが、退職後いきなり風俗業界へ飛び込んだので「周りからはすごいね、勇気あるねと言われます」とのこと。夜職1本へシフトチェンジしたきっかけは、好奇心とお金でした(以下『』内、ユキコさん談)。
『当時結婚寸前の彼がいたんですけど、いろいろあって破局しました。彼にお金を頼っていた部分もあり、昼職も薄給だったからもう大慌て。おまけに破局当時、会社の経営が傾いてボーナスカットなど散々でしたよ。このままOLをしてても未来はないと思い、勢いで退職。お金が必要なのと風俗業界への興味・好奇心もあって、よく調べずに“オトナのお風呂屋さん”に飛び込んだのです』
彼女はソープランドの業務内容を理解していたものの、店ごとのコンセプトや採用年齢に関しては全く分かっていませんでした。ネットで検索し、なんとなく選んだお店の面接へ行くと「採用年齢ギリギリだからなぁ」と言われてしまいます。
しかし、ユキコさんは小柄で童顔な可愛らしい雰囲気の女性で若く見えるため、店長が悩んだ末に合格を言い渡したのです。
『めちゃくちゃ目の前で悩まれましたけどね、採用するか否かで(笑)でも夜一本だし、週5日出勤で時間も曜日も固定可能だったから、勤務条件がお店の要望とマッチしたので無事合格。講習を受けてから働き始めたけれど、最初はお客さんとどう接すればいいのか……とか、右も左もわかりませんでした』
職歴もOLのみ、スナックのアルバイトも人生で3カ月だけ。当時の彼女はほとんど素人に近い状態で、接客にとても苦労したそう。それでもお金が必要ですから若いキャストに負けている場合ではありません。試行錯誤を繰り返し地道な努力を重ねたところ、入店後1年でランキング入りを果たします。
『働いて1年で5位くらいには食い込めましたね。でも週5日6~8時間は働いてたし、お休みの日もお店の先輩にお金を払って講習を受けてたから、これで売れなかったらヤバいです(笑)指名が安定してからは収入もプラスになり、仕事も楽しくなってきました』
伸び悩んだ時期を抜け、現在はナンバーワンの売れっ子へ!
かつてのユキコさんのお店は60分コース12000円バックという条件でした。リピーターがくるとバックがさらに+2000円アップし、全ての枠が指名で埋まると1日10万円前後の稼ぎに。ナンバーワンの先輩は毎日リピーターの予約で完売していたため、まずはそこを目指しましたが、ナンバー1~3位のハードルは想像以上に高かったそうです。
『上位3人の指名率はすごかったですね。私も努力してコツコツ頑張っていたけど、どうしても5位あたりのポジションから抜けられません。どうしたら上にいけるのかをさらに考えて、先輩たちにアドバイスをいただいていました。
連絡先の交換や、頻繁に来るお客さんへのプレゼントの用意。あとは一見さんの心をつかむコツなど売れっ子さんの教えは全部マネしましたね。ネットでの日記も頻繁に書いて、今はSNSも運用しています。
どうしても上3人に勝てなかったのと(笑)働いていてマンネリ化したのも関係し、38歳の時に自分の年齢が合っているお姉さん系のお店に移籍。そしたらここで爆発したんですよ!営業や接客の努力は必要ですが、今の自分にベストなフィールドを選ぶのも大切なんだと学びました』
移籍後のお店にうまくハマった彼女は、ぐんぐん成績を伸ばします。入店2年、40歳の時に初のナンバーワンを獲ってから現在までずっとランキング上位の優秀キャストになりました。
現在の月収は手取りで約150~170万円。出勤日数を週3~4日に落とした今でも、リピーターを獲得し続けていると言います。
『体力的に週5日出勤がキツくなってきたのでペースを抑えめで働いています。今もずっとナンバーワンというわけではないのですが、どんなに調子が悪い月でも5位以内には入ってますね。前のお店より在籍数が多いところの5位なので、以前よりもレベルが上がりました』
栄枯盛衰パターンや一瞬だけ売れてその後は尻すぼみ……なんて事例がたくさんある中で、華々しいキャスト人生を継続させるのは何よりも難しいです。彼女は夜職界隈では遅咲きなものの、咲き続けているのは本当に素晴らしいことです。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや) 元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター
2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。