「第6波」拡大でもテレワーク実施率は最低 1月中旬時点で、大企業・首都圏でテレワーク離れ

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」による流行「第6波」が猛威を振るい始めていた1月中旬、テレワーク実施率は過去最低となっていた-。そんな調査結果を公益財団法人の日本生産性本部がまとめました。

 調査は1月17、18日に20歳以上で日本の企業や団体に雇用されている人、1100人を対象にインターネットで行いました。日本生産性本部が2020年5月からおよそ3カ月に1度実施している「働く人の意識調査」の第8回です。

 1月17、18日といえば、すでに広島、山口、沖縄3県に「まん延防止等重点措置」が適用されていました。18日発表の新規感染者数を振り返ると、大阪府5396人、東京都5185人、愛知県2145人とすでにオミクロン株の感染急拡大が表面化していました。

 こうした中、日本生産性本部はテレワークの実施状況を調べました。テレワーク実施率は過去最低の18・5%を記録。前回(2021年10月)調査よりも4・2ポイント低下していました。

 さらに詳しく勤務先の従業員規模別で見ると、従業員100人以下の企業・団体では実施率の落ち込みが3・2ポイントだったのに対し、従業員101~1000人では7・4ポイント、従業員1001人以上では7・3ポイント低下していました。

 地域別でも調査が行われています。首都圏1都3県以外の地方では実施率の下落は1・3ポイントにとどまっていました。しかし、首都圏では10・1ポイントも落ち込んでいました。こうした結果を受け「中堅・大企業、首都圏の低下が全体の実施率下げに寄与している」と分析しています。

 日本生産性本部は「昨年10月以降、感染拡大が沈静化するに伴い、テレワーク実施の意義が薄れ、テレワークの後退をもたらしたと思われる」とまとめています。結果として、テレワーク実施率が低下していたところにオミクロン株の感染拡大が重なったようです。

 1月27日には「まん延防止等重点措置」が34都道府県に拡大されました。政府は適用の都道府県をはじめ全国に対し、テレワークの推進を求めています。一人一人の健康と安全を考えるためにも、テレワークが必要な局面に来ているようです。

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