河川敷に腹部切られた猫6匹虐殺…犯人の行方分からず、地元ボランティア「よく見かけた5匹の猫も行方不明」 

渡辺 晴子 渡辺 晴子

昨年12月初旬、千葉県市川市大洲の江戸川河川敷で猫6匹の死骸が見つかった事件からもうすぐ2カ月。地元のボランティアによると、警察が捜査しているといいますが、いまだ犯人の行方は分からず・・・今も地域住民や通行人からかわいがられた野良猫の死をいたむ人たちが手を合わせるため現場に訪れているといいます。

事件が発覚したのは、昨年(2021年)12月5日の早朝。通りがかりの人が猫6匹の死骸を見つけました。6匹の猫は腹を切り裂かれた状態で、このうち4匹が箱の上に並べられ、あとの2匹は河川敷の土手辺りで死んでいたといいます。

現場周辺エリアに住み着いた野良猫を中心にTNR活動(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)をしている同県動物愛護推進員の川岸惠子さんは「死んでいる猫を見た人から聞いた話では、現場を警察官が捜査中、死骸を回収したと見られる段ボール箱に目が開いたままの猫が入っていたそうです。また、近所の方からは壁に打ち付けられたような痕があったとも聞き、なんて残虐なんだろうと驚きました。近くには小中学校や幼稚園などもありますし、早く逮捕されてほしいと思っています」と訴えます。

事件周辺のエリア、野良猫を避妊・去勢手術 地元住民や散歩中の人から餌をもらっていた

川岸さんによると、江戸川沿いの河川敷というのは地域住民だけではなく散歩で通る人たちも野良猫に餌をあげていたとのこと。事件現場周辺の大洲エリアは、川岸さんが数年ほど前から重点的に野良猫を見回っていた地区でした。2018年から20年までに70匹以上の避妊・去勢手術を実施したといいます。

「事件現場の辺りはかつては捨て猫が多かったんです。また引っ越すときにそのまま連れて行けないからといって置き去りにされた元飼い猫たちもいました。そのため、野良猫が増えていたところ。気に掛けていた個人ボランティアの方が猫の避妊や去勢手術をしてくれました。

現場には当時10数匹ほどの猫がいたのですが、今回の事件でそのうちの6匹が死んでしまって。手術をしてくださったボランティアさんいわく、よく見掛ける5匹の猫も行方不明だと言っていました。驚いて逃げてしまったのか…。今見掛ける猫は数匹ほどです」(川岸さん)

当時10数匹の猫がいた場所 残された猫は数匹・・・周辺住民などパトロール中

事件から年が明けた今も、4匹の死骸が置かれていた箱の前で手を合わせる人や残された数匹の猫に餌やりをする人たちが後を絶たないとのこと。動物虐待が大きな事件に発展する可能性もあり、地元自治会を含めて周辺住民らが現在、現場周辺をパトロールをするなど警戒しているそうです。

川岸さんは今回の事件で6匹の猫たちが犠牲になったことを悔やみながらもこう話します。

「もとはといえば、野良猫たちは好きで野良になったわけではありません。全て人間の責任。猫も生きるために食べなくてはいけませんし、餌やりにしてもマナーを守って餌をあげていただければ幸いです。今回の事件をきっかけに、猫がいるといろいろな方が目を掛けてくれていることが、目に見えて分かってきました。皆さんがそういう目で猫たちを見守っていたことや目を掛けてくださる方が増えてきたことはありがたいです。私たちもボランティアとして、引き続き、外で必死に生きる猫たちを見守っていこうと思います」

※2022年2月2日現在、川岸さんによると、現場近くの野良猫を順次保護していくそうです。(1匹は既に保護)

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川岸さんによると、事件現場はJR市川駅南側から1キロほどの河川敷遊歩道。市川市内ではこれまでも猫の不審死があり、2018年5月には今回の現場から1キロ弱くらい離れている大洲地区で三毛猫の皮が、同年6月にはJR市川駅周辺で子猫の死体などが見つかっているそうです。

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