柚希礼音、悲願の舞台実現に向けて「全世界の健康と命を守りたい」

小野寺 亜紀 小野寺 亜紀

2020年にコロナ禍で33回の公演中、5回公演のみの開催となったミュージカル『ボディガード』。当時のキャストがほぼ集結した、悲願の再演の舞台が1月21日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開幕するのに先駆け、20日に主要キャストの柚希礼音、新妻聖子、May J.、大谷亮平、内場勝則が囲み取材会を行った。

本作は1992年に公開されたホイットニー・ヒューストンとケビン・コスナー主演の大ヒット映画を舞台化した、英国発の大型ミュージカル。映画を代表する名曲「I Will Always Love You」以外にも、ホイットニーの様々なアルバムからセレクトされた楽曲がふんだんに盛り込まれ、ライブシーンの迫力も見どころとなっている。

ホイットニーが演じた歌手であり女優のスーパースター、レイチェル・マロン役は、柚希礼音、新妻聖子が初演より続投し、新たにMay J.も加わりトリプルキャストに。取材会では、3人のレイチェルがデザインの異なる細身のきらびやかなドレス姿で登場し、場内は一気に華やいだ。

元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希は、「2年前は5公演で中止となってしまいましたが、その後すぐにスタッフさんが声をかけて下さり、こうして(ほぼ同じキャストが)集まることができました。Mayちゃんも加わり、新たな『ボディガード』として生まれ変わっています。まだまだコロナが落ち着きませんが、観に来て下さる方、見守って下さる方に感謝です。レイチェルの、お客様がいる限り絶対に背を向けず舞台に立つというところは本当に尊敬しているので、自分自身長く舞台に立ってきた想いを重ねながら演じたいです」と感慨深げに話した。

新妻は「舞台稽古も終盤となりましたが、非常に良い出来でございます」と自信を示し、「様々なご事情を抱えながら足を運んで下さる皆さまに、舞台を観ている時間だけはどっぷりと夢の世界に浸っていただきたいです。今回は物語をどう伝えるかということに特にフォーカスし、お客様を置いていかないストーリー展開にどう貢献できるか、というところに集中してお稽古を進めてきました。いろんな意味で満足度の高い『ボディガード』だったとおっしゃっていただけるように。東京公演の最後まで走り抜きたいです」と力強く語った。

ミュージカル初主演となるMay J.は、「これだけ長い台詞を覚えるのも初めてで、お芝居の部分をすごく厳しく指導していただきました。お二人(柚希と新妻)のお芝居も歌もダンスも最前列で観て(笑)、いろんなヒントを頂きました。今までMay J.としてステージで『I Will Always Love You』を歌ってきましたが、レイチェルの役で歌うと全然気持ちも変わるので、その変化を感じていただけたら嬉しいです」という。

さらに稽古中のエピソードとして、ボディガードのフランク・ファーマーを演じる大谷亮平が、ピアノの練習をしていたことを告白。「クラシックを上手に弾かれるのでびっくりしました」とMay J.が言うと、大谷は「それやめて(笑)」と苦笑い。新妻が「劇中に演奏シーンはございません!」と明るくつっこむ場面も。

3人のレイチェルの相手を務める大谷。「命懸けで『レイチェル3姉妹』を守るところがあり、そこは格好良く見せたい。万が一舞台装置が倒れてきても…」と言うと、やはりここでも新妻が、「守ってくれるのですか!?」とつっこみ、大谷が「それぐらいの気持ちで臨みたいです」と笑顔で答えていた。

レイチェルのマネージャー、ビル役の内場勝則は、公演にちなみ「今守りたいものは?」と訊ねられ、「やっぱり奥さんです」と即答すると女性陣から称賛のため息。「まあ、うちは守ってもらう方で、逆の立場ですが。あったかい家庭をちゃんと守り抜きたいなと思います」と男前な発言が飛び出した。

また、他のメンバーも守りたいものとして、柚希が「ちょっと大きいですけれど、全世界の健康と命」。新妻と大谷は「ボディガードのカンパニーを守りたい」と、コロナ禍ならではのコメントも。今度こそ、素晴らしい大千秋楽が待っていることを祈りたい。

ミュージカル『ボディガード』は1月21日(金)~31日(月)に「梅田芸術劇場メインホール」で、2月8日(火)~19日(土)に「東京国際フォーラム ホールC」で上演される。

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