元宝塚歌劇団星組トップスターで女優の柚希礼音が、11日にTBS赤坂ACTシアターで開幕したミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」(10月17日まで。大阪・梅田芸術劇場10月30日~11月14日)に出演している。初演に引き続きビリーを導くバレエ教師ウィルキンソン先生役で、当初は7月に開幕予定だった。コロナ禍で延期にされたが「こんな時代だからこそ、お客様の力になれば」とビリーが閉塞(へいそく)感の中、夢をつかむ物語と現在を重ねている。
自粛期間中もパワフルに自宅で過ごしてきた。2014年の宝塚歌劇100周年時に宝塚の顔だった柚希が発起人となり、元トップスターとトップ娘役19人が集結。宝塚の名曲『青い星の上で』を歌い、YouTubeで配信すると、150万回近く再生された。
さらに「自粛の時期だからこそ、苦手なものをなんとかせねば」と歌のリモートレッスンや、バレエレッスンのため床材のリノリウムも購入するなど、自粛期間中もやれることはすべてやってきた。「自粛太りしないようにしました」と笑う。
今回ダブルキャストとして、星組で柚希が二番手の時にトップだった安蘭けいが加わった。「リスペクトしています。10年ぶりにしっかりお話させてもらって、すごく楽しい」と下級生の顔に戻る。一方で「ビリー」では先輩となる柚希が、レッスンでは決まり事を教えたりと「トップと二番手では話せなかったこともありました。でも今回のレッスンでは、いろいろと意見を交わしました」と、時の流れを感じさせたという。
子供のビリーが主人公でありながら、前半は「ウィルキンソン先生の成長の物語」だという。
「子供たちも切なくて、誇り高い。3年たってもう一度やることになったけど、当時受けた感動は色あせない」とさらにパワーアップした舞台を届けている。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・石川美佳)