ようやく街に人が戻ってきた。11月中旬から京都でも一気に観光客が入洛する姿を見ながら世間の旅行ロスの大きさを改めて感じるわけだが、そんな中、GoToトラベル代替事業として地域観光事業支援(県民割)が、多くの府県で実施されている。
京都府では「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」と銘打って、京都府民の府内旅行を対象に、旅行代金の最大50%(上限5000円/人泊)を補助、さらに旅行先の飲食店や土産店等で使える地域限定クーポン「京都応援クーポン券」を1人あたり最大2000円分発行する府民割が12月31日まで行われている。
こどもも対象になる京都府民割
そこで、実際に府民割を使って一泊の家族旅行に出かけてみた。
予約したのは、リブマックスリゾート京丹後シーフロント(京都府京丹後市)、京都府北部は閑散期とあって一泊二食付きで一人12870円(税込)。我が家は妻と2歳児一人だが、子どもは食事なし布団なしなので、総額は入湯税300円を加え26040円だ。府民割は当日現地で清算時に料金から差し引かれる制度となっている。
京都市内から京都縦貫道を経由して2時間。正直値段が値段なので大きな期待もせずに行ったのだが、部屋は半露天風呂付30平方メートルの和洋室仕様のなかなか豪華な部屋で、朝夕の食事はバイキング。リゾートホテルビュフェに定番のローストビーフといった高級食材もなければ、品数もそれほど多くはないが、新鮮な刺身に天ぷら、テーブルの鍋で仕上げるすき焼き、プルコギ、そしてデザートまで一通り揃っており、値段から考えるとコスパは高い。大浴場もあり、時期的に泳げないがビーチもすぐそばでロケーションもいい。正直、期待値を大幅に上回る家族大満足の滞在だった。
気になる府民割だが、一人10000円以上の宿泊なので5000円×2人の割引だと思っていたが、支払いの発生しない子供も割引対象とのことで、総額÷3で、一人あたり4000円(一人当たりの宿泊代金8000~10000円の場合)の割引が適用され、なんと12000円が割り引かれ、支払総額は3人で14040円。
しかも、現地で使えるクーポン2000円×3人分(これまた子供まで付いてくる!)がホテルから支給された。これが使える店がなかなか充実しており、飲食店だけでなく、ガソリンスタンドやスーパーなども使える優れもの。しかも、京都府内で使えるので県民割の趣旨を逸脱するが、自宅の近所でも使えてしまう(ただし、使用は旅行中の日程に限られる)。合計すると、割引が12000円、クーポンが6000円で、家族全員で実質8040円で一泊二食付きが楽しめてしまうという驚異のプランになってしまった。恐るべし府民割。
実はGoToトラベルよりお得!
県民割の仕様は自治体によって様々なので、お住まいの自治体で確認が必要だが、大阪府では1人1泊あたり最大半額(上限5000円/人泊、最大2連泊まで)を割引し、さらに地域クーポン券(おおさかPAY)を1人1泊につき最大3000円分付与される(大阪府民でワクチン接種歴または陰性が確認できた方およびワクチン接種者と一緒に参加する同居人に限るという条件付き)。兵庫県では1人1泊あたり最大半額(上限5000円)が割引され、加えて最大2000円のクーポンが付与される。
県民割はおおむね最大50%割引+αという制度が多いようだが、今後再開される予定のGoToトラベルの見直し案は30%割引でクーポンが平日3000円、休日1000円と言われている。行ける場所が限られているとはいえ、破壊力は県民割の方が圧倒的に高い。
超お得な県民割、地元の良さを改めて見直すいい機会に是非活用してみてはいかがだろうか。