「月食と岐阜城」をテーマに撮られた写真に感嘆 合成なしのダイナミックな1枚を撮影する秘訣とは?

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「皆既月食でラスボス感しかない岐阜城」

そんな言葉とともに公開された、ta2funk|Tatsuki Itoさん(@ta2funk)の写真が、55万以上ものいいねを集めるなど大きく注目されています。

月の98%が隠れ「ほぼ皆既月食」となる部分月食が話題になった11月19日。今回のta2funkさんの写真は、その時を狙って撮られたもの。

赤い月を背景にそびえ立つ岐阜城。「魔城」とでもいうような禍々しさも感じられます。実際に、リプ欄では、アニメや特撮ヒーロー番組、映画、ゲーム作品などのビジュアルやテロップを加えてコラ画像を作るユーザーも続出するなど、大いに盛り上がりました。

このような幻想的な「岐阜城と皆既月食」の写真を撮影・公開されたのは、ta2funkさんだけではなく、同様に素晴らしい瞬間を切り取ったことで話題になった別の写真もありました。

「月食と岐阜城 ヤバかった」と紹介した、jigurohiroさん(@jigurohiro)の写真がこちら。

前述の写真と比較して、城の角度やバックに写る月の様子がとてもよく似ていますね。こちらもいいね10万超の話題となり、リプ欄に「映画のワンシーンのよう」といった声があったり、『信長の野望』というゲームタイトルで喩えられている点も共通しています。

お二人に聞いてみると…

「jiguroさんとは写真仲間です」(ta2funkさん)

「(ta2funkさんは)写真に対する思いなど尊敬できるフォトグラファーです」(jigurohiroさん)

やはりお二人は互いを認め合う写真仲間でした。とはいえ、一緒に撮影されたわけではなく、「それぞれが撮影スポットに向かい、そこで必然的に会う」という、互いに独立したスタイルだといいます。

約束をしたわけでもなく同じところで出会い、同じテーマの写真を撮る――お二人の写真に対する情熱が感じられますね。他にも、このような形で撮影に来られているお仲間がたくさんいらっしゃるそうです。

また、両者に共通する驚きポイントといえば、何といってもありありとした月の姿でしょう。リプ欄には、そのあまりの大きさに「合成にも見える…?」というようなコメントも見られました。しかし、当然ながらこれらは「合成なしの一枚撮り」。望遠レンズで撮影するなど、遠近法をうまく利用することでこのようなダイナミックな写真が撮れるとのこと。まさに、フォトグラファーならではの技術です。

「超望遠レンズと高画素機の一眼レフで撮影しています。こだわった点は絶対ブラさないこと。僅かでもブレがあると写真のクオリティは大きく下がってしまいます」(ta2funkさん)

「岐阜城から1.4km離れた場所から望遠レンズを使用して撮影しています。月食は暗いので、いつもの月よりも明るく撮影することを心掛けました」(jigurohiroさん)

望遠レンズの使用を含め、多くの技術やこだわりをもって、このような素晴らしい写真が出来上がるのですね。 

地元・岐阜で月の風景を…

今回、岐阜城を題材に月食の写真を撮られたta2funkさんとjigurohiroさんですが、お二人がこの場所で月の写真を撮影するのは、今回が初めてではありません。

ta2funkさんは、2015年ごろから毎月欠かさず岐阜城と月の撮影をしているといいます。

また、jigurohiroさんも、岐阜城は「月と重ねるという行為に対し最も適した立地条件」であり、岐阜は地元でもあるためいつも撮影に来ているそうです。

まさにライフワークとして岐阜城と月の写真を撮り続けているta2funkさんとjigurohiroさん。

「地元岐阜市の岐阜城と月の写真を多く撮影し、公開する事で岐阜市の魅力を広く知って欲しいと思っております」(jigurohiroさん)

  ◇  ◇

最後に、お二人に今後撮影してみたい写真についておうかがいしたところ、次のような回答をいただきました。

「海外の火山をドローンで撮影してみたいです」(ta2funkさん)

「岐阜城の周りの雲海が広がる1枚を撮影してみたいです」(jigurohiroさん)

■ta2funk|Tatsuki ItoさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/ta2funk

■jigurohiroさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/jigurohiro

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