プロ野球の「選手別応援歌」や、ここぞの場面でチームを勢いづける「チャンステーマ」。各球団の私設応援団が工夫をこらして作詞作曲するが、とりわけオリックス・バファローズの応援歌は「かっこいい」「手がこんでいる」と野球ファンからの人気が高い。そこで、日本シリーズ開幕を前に、緊急企画としてオリックスファン約300人に「好きだったチャンステーマ」について聞いたところ、数々の名曲が熱いコメントとともに寄せられた。コロナ禍のため声を出しての応援やトランペットの演奏はできないが、球場でスピーカーから流れる応援歌にもぜひ注目したい。上位の結果は以下の通り。
【1位】「丑男~COW BOY~」(128票) 合併乗り越え一つに
近鉄とブルーウェーブが合併した歴史を表現した1曲が最多得票。オリックス・バファローズの誕生に伴って作られた。オリックス応援団の「大阪紅牛會」初代会長で、現在は応援統括プロデューサーを務める和田益典さん(47)は作曲した当時を「新球団としてチャンステーマを作ろうと思ったが、なかなかいいものが浮かばなかった」と振り返る。いよいよシーズン開幕が近づき、「自分の思いを素直にぶつけてみよう」とふっきれて作り上げたのがこの曲だ。「悲しみ」という歌詞で合併を表現し、「真紅と蒼の魂」と両球団のカラーを盛り込んだ。
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♪熱き情熱 紅く染まり 蒼き稲妻 輝く
ここで立ち向かえ戦士達
悲しみ乗り越え突き進め
真紅と蒼の魂を 炎と燃やして攻めろ
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【ファンのコメント】
・球団合併というオリックス・バファローズにしかない歴史を感じる一曲(10代男性)
・12球団一かっこいい、想いが込められたチャンステーマ(20代男性)
・ 合併という悲しい悲劇、そこから立ち上がり、チームを鼓舞しよう、そんな思いがこもっているこの曲を嫌いなオリックスファンなんていない(20代男性)
・ 合併時には色々な意見や両球団のファンの方々のぶつけようの無い気持ちがあったと思いますが、この曲で救われたファンも少なからずいると思います。自分もその1人です(20代男性)
・日本シリーズを決めたサヨナラタイムリーの小田選手の打席で流れたのも強く印象に残っています(20代女性)
【2位】「欲球根性~河内のオッサンの丑~」(55票) コテコテの河内弁
コテコテの河内弁で叫び、盛り上がる応援歌。「来い来い来い来い!」というシャウトでスタンドが一つになる。
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♪気合いやで ここまでぶち込め【来いや~】
お前のボールが欲しいのは 【ワイや~】
ここらで打たんとワテ泣くで【おいよ~】
とびきりデラいの持って来い【ここや~】
おもクソ ゴツいの 持って来い【ここや~】
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【ファンのコメント】
・応援歌がカッコよくなっていく中、 曲名の「河内のオッサン」という名称も含め 泥臭さが交じっているからです!(10代男性)
・河内弁がイカつい…、のを大声で歌えるのが楽しい。「来い来い来い来い」も楽しい(40代女性)
・振り付けもあって、程よくアカペラもあって、シャウトもあって楽しいし、曲自体もかっこいいから(10代男性)
【3位】「タオル」(50票) 近鉄時代から続くタオルを使った応援歌
オリックスのチャンステーマといえばこの印象が強い他球団ファンも多いかもしれない。近鉄時代から続く、タオルを使った応援歌。広げたり、くるくると回したりとダンスを踊り、一体となって盛り上がる。
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♪勢いだつなげ続け ヤマを張り一か八か
そこだ打て手を出せ バット振ったらボールは飛ぶ
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【ファンのコメント】
・老若男女、みんなで楽しく、歌いながら、タオルを使ったダンス感覚で応援できるから。華やか(60代女性)
・カッコよさの中に楽しげな感じもあり、チャンスにぴったり(20代男性)
・テレビカメラが必ずスタンドを抜いてくれる。見る人もする人も応援を最も楽しめるチャンステーマだと思うので(20代男性)
【4位】「丑王」(48票) 3番まである長編応援歌
2019年に発表された、3番まである長編応援歌。使われ始めた当初は、歌詞を覚えようと紙やスマホを片手に応援するファンの姿が目立った。「天を仰ぎ拳を突き上げ 誇り高き伝説(Magician)を想う」で故・仰木彬監督を表現するなど、過去の応援歌のフレーズや球団の歴史を歌詞全体にちりばめている。
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<壱>♪空へと舞い上がる光が 頂への途(みち)を創る
絶え間無く燃え上がる炎が 今この瞬間(とき)に我等を照らす
<弐>♪宿命託された戦士よ 冴え渡るその感性で
無限の底力を求めて 叶うべき夢の先へ進め
<参>♪紅蓮(ぐれん)の魂を滾らせ 蒼き雷(いかずち)を呼び込め
天を仰ぎ拳を突き上げ 誇り高き伝説(Magician)を想う
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【ファンのコメント】
・歌詞も曲もかっこいい。近鉄、ブルーウェーブ、仰木監督へのリスペクトも詰まっている歌詞が泣けます(50代男性)
・オリックスの歴史を網羅した歌詞とメロディーがかっこ良すぎる。球場で歌った時の一体感は鳥肌もの(40代男性)
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これ以外にも、「笑牛拳」や「タオル(BW時代の高橋智)」も人気を集め、近鉄時代に使われた「紅の丑」を推す声もあった。
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※アンケートはツイッター上で行い、10~70代の男女311人から回答を頂いた
※応援歌歌詞は球団公式ホームページより抜粋。〈制作〉オリックス・バファローズ私設応援団、大阪私設應援團 大阪紅牛會・笑丑會、神戸蒼誠会、天体観測、松原猛牛会
※応援歌情報は、大阪紅牛會のツイッターアカウント(@deepredbulls)などで更新されます
※選手の敬称は省略しています
(まいどなニュース/神戸新聞・小森有喜)