快進撃を見届けて去りぬ…オリファン漫画で話題の作者が「今季限り」を表明 「日本一に導く妖精やったんやね…」

竹内 章 竹内 章

リーグ優勝と日本一から四半世紀遠ざかるオリックス・バファローズの微妙なファン心理を漫画にして、今季のチームの快進撃と歩調を合わせるかのように脚光を浴びるTwitterユーザーのNAKATA(君)(@NAKATA55795234)さん。日本シリーズ進出を決めた後に公開したストーリー漫画「優勝」は多くのファンが涙しました。そして劇的幕切れの日本シリーズ初戦の熱も冷めやらぬ20日深夜、「日本シリーズ後にあげる4コマ漫画を最後にします」という衝撃の告知が…。

ヤクルトの守護神を攻めたて2点差をひっくり返してからほどなくして、お別れとお礼のメッセージを投稿したNAKATA(君)さん。〈たくさんの人に漫画見てもらってなおかつ「オリックスファンになりました」とか言ってもらえてメッチャ嬉しかったです.ありがとうございました〉〈今シーズンあとわずか最後までよろしくお願いします!〉とつづっています。

 突然の発表に「うそやん。こんな悲しいことないて」「今日一のショック」と驚くユーザー。他球団のファンからも「ヤクルトファンと重なるところがたくさんあって『わかる、そうそう』って思いながら楽しみに見ていました。今年日本シリーズ戦えて本当によかったです」「オリさんとドラゴンズはなんか重なるところが多かったし…来シーズンはウチも!!」とコメントが寄せられています。「オリックスを日本一に導く妖精やったんやね…」とつぶやくユーザーも。NAKATA(君)さんに緊急取材しました。

 ―みなさん、驚いています

「もともとオリックスが強くなったら漫画を終わらせるつもりでした。リーグ優勝してもらった今年が絶好の辞め時と考えていました」

―そうだったんですか…

「もちろん漫画自体に愛着がわいてきたのでやっぱり寂しさはあります。でもどちらかというと達成感の方が大きいです。描いてきた漫画が優勝という素晴らしい結果で終われるのは本当に幸せなことだなぁと…。思いついたものの描いていないネタもかなりあるので、オフシーズンにそれらを漫画にする自己満足の暇つぶししようかと考えてます」

―ストーリー漫画「優勝」にオリファンは涙しました

「最初に描きたいことをバーっと書き出してそこからちまちま描いていきました。ただ、描いても描いても全然終わらないので体力が持たず手が止まることはありました」

―制作中にどんなゲームが思い浮かびましたか

「今年の試合で思い出すのは、やはり9月最後の千葉ロッテ3連戦です。優勝のためにはひとつも負けられない状態の3戦目、2点ビハインドの9回にT-岡田選手の逆転スリーランが出たとき、うっかりこの年で号泣してしまいました。この試合はいつまでも忘れないと思います」

―京セラドームの空を描いた最後のコマが印象的です。漫画は終わっても登場人物のA川、B里、C一郎の球団愛、野球熱は変わらないよというメッセージを感じました。

「彼らには、『本当によかったなぁ』と声をかけたいですね。ここから先は辛い時代を見てきた分、素晴らしい試合を沢山見ることができると思うので報われてほしいですね。自分も含めて(笑)」

「監督、選手、球団スタッフさんら優勝を成し遂げた方たちには感謝という言葉しかないです。昨年まで負けることに慣れ切っていたファンに勝つ喜びを思い出させてくれた、これ以上の喜びはありません。オリックス・バファローズは合併を経て誕生した球団ですから、オリックスファンと一概に言ってもBWからのファン、近鉄からのファン、合併後からのファンが混在していて、目には見えない隔たりのようなものを感じてました。でも優勝の瞬間、どのファンも同じように歓喜に沸いて、来た道は違っても皆同じ方向を向いていたのだと改めて感じさせられました」

―ファン冥利に尽きるポストシーズンです

「CSファイナルステージはサヨナラドローという劇的な勝ち方で突破しましたが、決めたのがT-岡田選手、安達選手、小田選手という低迷期を耐えてきた選手だったことが感慨深かったです。昨年までベンチでうつむいていた選手たちが道を開いてくれた、出来過ぎの展開ですね…。ここまで来たら日本一が見たいという気持ちは当然ありますが、とにかく今シーズンを象徴するようないいプレーをたくさん見たいです」

NAKATA(君)さんは第7戦を観戦予定です。舞台はほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)。「早めに日本一になって」と「7戦までもつれて」。気持ちのせめぎあいに悩まされているそうです。

 NAKATA(君)さんのピクシブはこちら→https://www.pixiv.net/users/52494346

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