京都府南丹市の観光地に置かれ、「景観を損なう」との指摘もある「顔出しパネル」について、南丹市議会9月定例会で議論が交わされた。批判を踏まえて効果を疑問視する市議に対し、「意見を持つのは、関心があるということ」と、市担当者は前向きな姿勢を崩さなかった。
パネルは、市が7月から美山町のかやぶきの里など4カ所に設置。くりぬかれた額縁から顔を出すと、風景画に入り込んだような「映える」写真が撮れるのが売りで、SNS(会員制交流サイト)を通じた話題づくりを狙った。しかし、2カ月が過ぎた今も、SNSへの投稿はごく少ないままだ。
9月下旬の決算特別委員会で市議は、狙い通りに写真が拡散されているかをただした。市観光交流室は「効果はこれから」と苦しい答弁。一方で景観への影響については「小さい」としつつ、「『シュール』という指摘は褒め言葉」とプラス思考を貫いた。
別の市議は「今後の大ヒットを願うしかない」と皮肉った上で「市のSNSでの発信もない。もっとPRを」と強調した。委員会後、同室は「今後、何ができるか考えたい」とした。