「ムスメが保育園に行ってた時に衝撃的だったことの漫画です」とツイッターに投稿した、中村ゆきひろさん(@Nmurayukihiro)の漫画が話題になっています。漫画の内容はご自身の娘さんが通っていた保育園でのエピソードです。
漫画家として活動されている中村さんは、一日保育士体験で園児たちの面倒を見ることになりました。普段慣れない大勢の子どものお世話はなかなか大変そうです。
そんななか、紙芝居の時間になりました。中村さんは子どもたちを静かにさせようとしますが、みんな全然言うことを聞いてくれません。「園児をおとなしくさせるなんて、無理では…!?」と、中村さんは思います。
しかし、先生が「とんとんとんとんひげじいさん…♪」と歌い始めると、園児たちは一人、また一人と先生に注目をはじめ、最後には全員がおとなしくなりました。この様子に中村さんは、「ま…魔法か~!?」と驚いてしまいます。確かに、魔法ではないかと疑ってしまうくらい見事な手腕ですね。
ちなみに、この時の保育士さんが行っていたのは「手遊び」といって、手遊び歌と呼ばれる楽しい歌を歌いながら手や身体を動かすというもの。
子どもたちの注目を集めたり楽しい雰囲気を作れることから、行事やお話を始める前の「導入」によく用いられ、またリズム感や手先の器用さを育む効果もあるため、保育のなかではよく取り入れられている方法だそうです。
手遊び歌には、今回の「ひげじいさん」以外にも「むすんでひらいて」や「いとまき」、「げんこつ山のたぬきさん」などのバリエーションがあります。幼稚園や保育園で実際に聴いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
中村さんのツイートのリプ欄にも、多くの反響がありました。
「幼稚園の頃にこれに釣られていたことを思い出した」
「うちはこれのアンパンマンシリーズ覚えてます」
「私も幼稚園の時、とんとんとんとん、ひげじいさんってやりましたけど、こういう効果があったんですねえ」
「親戚のやっている保育園に手伝いで行った時も、(歌詞等は違いましたが)同じように歌と動きで園児たちを大人しくさせているのを見て驚きました」
このように、「園児の頃に実際に聴いて知っていた」「実際に保育の現場で見たことがある」という声がある一方で、このようなコメントも。
「私も保育士実習の時にやりましたけど必死過ぎてなかなか上手くいきませんでした。先生や保育士さん方の話し方や雰囲気作りはプロの領域だといつも思います」
やはり、いくら「手遊び」が保育の場面で有効な手法といっても、それを使いこなせるのは日々大勢の子どもと触れ合っている保育士さんの経験と技量があってのこと。まさに保育のプロ・匠の技と言わざるを得ません。中村さんに聞きました。
――保育士さんのプロの技について漫画で紹介されていますが、その時の具体的な様子やご感想を改めてお聞かせください。
中村さん:叱るでも強制するでもなく、自然に子どもたちの意識がすーっと先生の方に向いていくようで、「自分じゃ絶対こんなに上手くできないな~」と思いました。先生の雰囲気作りとか語りかけかたが上手いのだと思います。このあと子どもたちは先生の話をしっかり聞いていたと記憶しています。
――他にも保育士さんの仕事で、さすがプロ、と感心されたエピソードは?
中村さん:保育園って何十人も子どもが通っているわけですが、どの先生もそのひとりひとりの顔と名前をちゃんと把握しているのはすごいと思いました。普段からとてもよく見てくださっているんだな~と感じます。
――中村さんも娘さんを育てていらっしゃいますね。「子育てのここには自信がある!」ということはありますか?
中村さん:私自身は自分の子どもの相手をするだけでもいっぱいいっぱいで、とても子育てに自信があるとは言えません。大勢の子どもを朝から夕方まで安全に見てくださる保育士の先生方には感謝しかありません。
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漫画家として活動されている中村さんですが、現在は「comic gift」で月1回短編漫画、「ユウグレノート」でマーダーミステリーを制作。今回の漫画では保育園に通っていた娘さんも今は大きくなり、三国志のことを教えてくれるそうです。その様子を描いた「ムスメ三国志」をTwitterで公開しています。
■中村ゆきひろさんのTwitterはコチラ→https://twitter.com/Nmurayukihiro
■Comic giftはコチラ→https://twitter.com/comic_gift_web
■ユウグレノートはコチラ→https://twitter.com/yugurenote
■「ムスメ三国志」はコチラ→https://twitter.com/i/events/1435813587977576451