9月21日は中秋の名月です。日本では静かに月を愛でますが、台湾では大イベント!道端では焼き肉を食べる「路上フリースタイルBBQ」が名物です。また伝統菓子月餅も若い人向けにハーゲンダッツやゴディバの洋風月餅が登場。台湾に移住して8年の筆者が驚きの台湾・中秋節文化を紹介します。
歩道でも…「路上フリースタイルBBQ」
台湾の「中秋節」は旧正月や端午節と並ぶ年間3大行事の1つで、国民の祝日です。今年は9月18日から21日までの4連休です。
台湾に住んでいると今まで全く知らなかった台湾の「ゆるい」一面を見ることができます。筆者が移住後、一番驚いた中秋節の風習は「中秋節=焼き肉」です。昔、ある焼き肉のタレの会社がテレビCMで「中秋節は焼き肉をしよう!」という文句で宣伝したところ、それが広まって現在では立派な習慣になっているようです。日本のクリスマスにフライドチキンを食べるのに似ていますね。
中秋節の連休になると焼き肉レストランは満員、河原やキャンプ場に出かけてBBQをする人も大勢います。
おもしろいのが歩道でのBBQ。店先では従業員が自分たち用のコンロを広げて、顧客の横でBBQを始めることもあるんです。しかも車道なので、完全なるフリースタイルBBQです。中秋節が近づくと台湾じゅうで行われ、ひどい時には街のどこを歩いていても焼き肉の香りに包まれます。
2021年は、新型コロナの影響で路上フリースタイルBBQがほとんどの県で禁止されてしまいました。路上が禁止になったかわりに、皆さん自宅やイートインOKの焼き肉レストランで楽しむことになりそうです。
台湾でブロガーとして活躍するRieさんは「この風物詩が今年は見られないのは残念!でも安全第一なので、早くコロナが治まって元の生活に戻ればいいですね」と話していました。
▽Rieさんのブログ「アジアンライフ」https://www.rieasianlife.com/
ハーゲンダッツやゴディバから洋風月餅が続々
中秋節には家族や友人・知人でお菓子の月餅や柑橘類のブンタンを贈り合います。8月末ごろから台湾ではデパートやお菓子屋さん、スーパーなどで特設コーナーが設置されます。
一番オーソドックスな月餅は、月にちなんで甘い餡の中に塩辛い卵の黄身が入っています。甘さ×塩辛さのコンビネーションなので好みが分かれるお菓子です。おまけに外の皮は油を「これでもか!」というほど含んでおり、食事の前にうっかり食べてしまうとお腹にたまりすぎてしまって、ご飯をパスする羽目になります。
伝統的な卵入りのものは若い世代では嫌いな人も多いようで、ハーゲンダッツのアイス月餅やゴディバのチョコレート月餅、スターバックスでもコーヒー月餅のギフトセットが売られています。ニュースタイルの月餅は卵の黄身が入っておらず、味はほぼ洋菓子。月餅が苦手な人でもおいしく食べられます。日本では購入できないので、将来この時期に台湾へ旅行に来られたら、お土産にもいいかもしれません。
中秋節の時期がちょうど旬のブンタン。大型スーパーではブンタンのギフトパックが山積みされます。皮の表面に顔を描く習慣まであり、この時期、カフェやレストランでは顔が描かれたブンタンを飾っているお店があちこちにあります。
今年の十五夜は満月になるそうですよ。皆さんも安全第一でよい中秋節をお迎えください!