生きているかと思いきや…水族館に「キモかわいい」メニューが登場 そのお味は?

天草 愛理 天草 愛理

 岩をよじ登るオオサンショウウオかと思いきや、実はお好み焼き!? 独特な見た目を再現した特別メニューが京都水族館(京都市下京区)に登場した。つい写真に収めたくなるユニークな食べ物や飲み物が3種類そろっている。

 オオサンショウウオは、世界最大級の両生類で、約3千万年前から姿が変わっていないため「生きた化石」と呼ばれる。京都市内を流れる鴨川に生息するが、外来種のチュウゴクオオサンショウウオとの交雑化が進み、在来種は特別天然記念物に指定されている。

 京都水族館は、開業当初からオオサンショウウオを展示し、現在はチュウゴクオオサンショウウオや交雑種を含む20匹を飼育する。スタッフが小学校で講演を行うなど、以前から魅力発信に取り組んできた。

 2018年には、9月9日を「オオサンショウウオの日」として一般社団法人日本記念日協会に申請し、認定された。姿が「9」に似ていることや、9月ごろに繁殖のために活動が活発になることにちなんだ。

 今回の特別メニューは、京都水族館が「オオサンショウウオの日」に合わせて実施しているイベント「骨の髄までオオサンショウウオ」に合わせて考案した。「のっそりオオサンショウウオお好み焼き~白味噌ソース~」(750円)と「ぷかぷか★オオサンショウウオレモネード」(990円)、「ひょっこり!オオサンショウウオチョコドリンク」(690円)の3種類で、館内3カ所のカフェで購入できる。

 「のっそりオオサンショウウオお好み焼き~白味噌ソース~」は、岩に見立てたお好み焼きにオオサンショウウオの形のこんにゃくを添え、オオサンショウウオがのそのそと岩によじ登る様子を表現した。白みそを使用したソースで「京都らしさ」も忘れない。メーカーから仕入れたというこんにゃくは、色合いがオオサンショウウオにそっくりで、前足が4本指、後ろ足が5本指になっているなど細部までリアルさを追求している。

 「ぷかぷか★オオサンショウウオレモネード」と「ひょっこり!オオサンショウウオチョコドリンク」は、オオサンショウウオの形のマシュマロを載せ、オオサンショウウオが水面から顔を出している様子を模した。

 レモネードは、容器が金魚鉢の形だったり、底に青色のゼリーが入っていたりと、見た目にも清涼感があり、容器は持ち帰ることができる。チョコドリンクは生クリームやカラフルな麩がトッピングされ、写真映えするかわいらしさだ。

 さっそく食べてみる。「のっそりオオサンショウウオお好み焼き~白味噌ソース~」のこんにゃくを箸でつまみ上げると、ぷるぷると震える。生き物のような動きで口に運ぶことをためらうが、思い切って尻尾にかぶりついた。生地に魚卵のようなものが練り込んであり、ぷちぷちとした食感が楽しい。甘味と酸味を感じる白みそのソースは、お好み焼きにもこんにゃくにもよく合う。

 レモネードは、さっぱりした味わいで子どもも飲みやすそうだ。量もたっぷりと入っており、暑い日にごくごくと飲みたくなった。チョコドリンクは、チョコレートが濃厚なので甘党の人におすすめだ。

 広報担当者は「見た目のインパクトにこだわり、アイデアを出し合いました。ぜひ飲食メニューも楽しみながら、京都水族館を満喫してほしいです」とPRする。販売はいずれも11月30日までで、なくなり次第終了。

 イベント「骨の髄までオオサンショウウオ」では、医療用CTスキャンの技術を活用した標本の3Dデータの映像や、約120年前に発見されたオオサンショウウオの骨格標本などを館内に展示している。また、タクシーやショッピングモール、ホテルなど京都府内各所に京都水族館オリジナルのオオサンショウウオのぬいぐるみを設置し「オオサンショウウオの日」を盛り上げる。

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