コロナ禍・すごもり需要などの影響で、食料品に関わるあらゆる業種でお取り寄せが増えています。特に「その場所に行かないと、食べられなかった」ものが家庭でもいただけるようになったのは実に嬉しいことですが、しかし「鮮度が命」の食品のお取り寄せは、これまで限られていました。
そんななか、長崎県の新上五島町観光物産協会が運営するシマリエという通販サイトではなんと! とれたての魚を「刺身」として全国に発送するサービスをスタートしました。
新上五島町の沿岸漁業は定置網による漁法のようで、多種多様の魚が漁獲されることで知られています。今回はシマリエを利用し、「切るだけでお刺身セット」(皮無し・皮付きとも税込各8千円)を注文。通販で届く「刺身」を食べてみることにしました!
魚種は指定できない代わりに、そのときどきの一番美味しい魚が届く仕組み!
「切るだけでお刺身セット」は魚種の指定はできず、その日の漁獲によって島の魚屋さんが吟味して送ってくれるもの。どんな魚が届くかがわからないワクワク感と、そのときどきで最も鮮度の良い魚をいただけることに期待を膨らませながら、数日待ちました。
果たして届いたのはハガツオ(皮無し・皮付き)、イシガキダイ(皮無し・皮付き)、水イカ、カンパチ。どれも都心部のスーパーなどでは目にすることができない大ぶりの柵となっていました。
もちろん、どの魚も見るからにプリプリです。賞味期限は発送後5日間(要冷蔵)とのことで、スーパーなどで買う刺身よりも長くいただけるのも、鮮度が良いからこそなのでしょう。
というわけでせっかくなので、あえて大ぶりに切っていただいてみます!
「にぎり寿司にしたら何貫できるんだ」というほど新鮮でボリューミーな刺身の数々!
まずハガツオから。脂がしっかり乗っており、臭みがいっさいないことにまず驚きました。カツオの刺身と言うと、どことなく苦味やクセがある先入観を持っていましたが、「カツオ本来の味はこれなのか!」と思うほどの鮮度の良さです。
さらに、水イカは、まだ切る際もまだ黒々としており、こちらも苦味などがなく、ツルツルピチピチと美味しくいただきました。
また、白身にピンクの筋が美しいイシガキダイも、磯の風合いとプリッとした身の食感が嬉しく、これもまた絶品!
さらにカンパチ。磯の風合いだけでなくカンパチ本来の持つ甘味も強く感じられ、何切れもバクバク食べてしまうほどでした。
いずれも「にぎり寿司にしたら何貫作れるんだ」というほど大ぶりの柵だったこともあり、かなり贅沢に新上五島町の刺身をいただくことができました。
料理にかかる手間をできるだけ簡略させ、鮮度の良い地場の魚を全国へ!
「切るだけでお刺身セット」はこれらの刺身に加え、おろした際に余ったアラも同梱してくれていました。つまり、刺身だけでなく、調理次第で焼き魚、汁モノなども合わせて楽しめるわけです。
当初、税込8千円と聞き、正直一瞬たじろいだ筆者でしたが、これらのことから、特別な日の食事や家族全員で楽しむ際には、むしろ安いのではないかと思いました。
最後に、刺身の通販を行うシマリエ・新五島町観光物産協会の担当者の方に、この取り組みについて話を聞きました。
「長崎・新上五島町の宝である『海』『山』の恵み、素晴らしさを全国の方にお伝えしたいと考えていたことに加え、令和2年4月に生産者様を訪問した際、『コロナ禍で期待していた需要がなく困っている』という声を多く聞き、まず新上五島町観光物産協会で、通信販売を開始しました。
SNSなどの影響もあり大きな反響をいただいたことから、今回『シマリエ』という本格的なECサイトをスタートしました。
生鮮品の鮮度維持のために、漁師さん、魚屋さん、生産者さんから直接お客様へお届けしています。
『魚離れ』の原因の一つは『調理時間が取れない』ということもあると思います。本当は日本人なら魚が好きなはずですが、魚をさばく時間がないだけなのではないかとも考えています。こういったことからも調理時間をできるだけかけず、そして新五島町の美味しい魚を全国の方に食べていただきたいと思っています」(担当者)
さらに、これからの季節の「旬」の魚についても聞きました。
「例年のこの時期(9月)は、五島列島に北東の風が吹くようになります。その北風に乗って、トビウオ(あご)が有川湾に入ってくるため、あご漁が盛んになります。また、あご漁が終わるころには、シイラがやってきます。この時期のシイラは脂がのっているものの、あっさり美味しい。まさに旬を迎えるものです。是非ご賞味いただきたいですね」(担当者)
自然豊かな長崎・新上五島町の魚だけでなく、地域の麺類、酒、お餅なども取り扱いがあるシマリエ。おいしい魚と一緒に注文してみるのもオススメですよ!