9月9日の「救急の日」を含む9月5日(日)~9月11日(土)は「救急医療週間」です。救急医療に対する関心が高まっている現在、いざというとき私たちに何ができるのか、を知っておくことはお互いの命を守るためにも必要です。皆さんの住む自治体でもいろいろな形で啓発活動が行われることでしょう。このチャンスを活かし、万が一のときに役に立つ情報を手に入れましょう。
応急手当の目的は何?
応急手当の目的は先ず「救命」です。そして「悪化防止」や「苦痛の軽減」も大切な目的です。
119番通報後、救急車の到着には平均7~8分、道路事情などによりもっと時間がかかることもあります。
もし、心臓と呼吸が止まって3分間なにもしなかった場合、命が助かる可能性は30%を下回るそうです。救急車が到着するまでの7~8分そこに居合わせた人が救命処置を行うことで、救命率を上げることができるのです。大切な命を救う可能性を高くするのが応急手当です。
「AED」は「突然の心肺停止」の原因となる重症不整脈に対して心臓に電気ショックを与え、心臓が本来持っているリズムに回復させる「除細動」を行う機器です。
現在さまざまな施設や町の中にも設置され、いつでもだれでもが使えるように準備されています。使い方は、蓋を開けたり、電源ボタンを押すと音声メッセージで指示してくれるようにできています。また除細動が必要ない場合はボタンを押しても通電しないなど安全に配慮した設計がされているということです。
「AED」は自治体や町会などの講座で使用方法を学ぶ機会があります。ポスターや回覧板をぜひチェックしてください。
参考:
東京消防庁:倒れている人をみたら(心肺蘇生の手順)
レスキューマネキンを使ったAEDによる救急救命訓練
救急車を呼ぶ前に! 相談したいアプリ「Q助」
血を見て仰天して救急車を呼んでしまった。到着したときには血は止まっており、ただの切り傷を手当てして貰っただけでした、といった緊急性が低いものでも救急の要請があるそうです。突然の急病や怪我に慌ててこのような要請をしてしまうこともあるでしょう。落ち着いて本当に救急車が必要かを見極めることが大切です。
こんな時に役立つな、と思うアプリを見つけました。消防庁が提供する≪全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)≫は緊急性と救急車を呼ぶ必要のある・なしを判断して教えてくれます。本当に必要な人の救急要請を遅らせることのないように開発されたということです。
使い方は簡単です。「Q助」アプリを立ち上げ、表示される質問の答えを選んでいきます。
★救急車の手配が必要と判断された場合
⇒緊急度[赤]「いますぐ救急車を呼びましょう」
と表示され、下には[119番に電話をする] ボタンが点滅します。これを押すことで119番通報ができるようになっているとのこと。改めて電話アプリへ移動する必要がないように配慮されています。
★救急車の手配は必要ないと判断された場合
質問は順次具体的な症状を問うものになります。答えていく中で緊急度により次のアドバイスが表示されます。
⇒緊急度[黄]「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」
⇒緊急度[緑]「緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう」
⇒それ以外は「引き続き、注意して様子をみてください」
このようにアプリで対応してもらえれば、ひとまず落ち着くことができます。
その他、同じ画面の下の方に「医療情報ネット」や「全国タクシーガイド」へのリンクも用意されています。さらに、自治体の救急電話相談室の電話番号[#7199]、小児救急電話相談事業の電話番号[#8000]もガイド表示されており、どこに相談するのがいいのか、を落ち着いて対応することができるようになっています。
参考:
全国版救急受診アプリ「Q助」について
いざという時のために前もって利用したい!
「Q助」アプリはあらかじめ使ってみるのがオススメです。質問にはさまざまな症状が書かれており、このような症状だったらどんなことが疑われるのか、ということがわかってくるからです。
他にも消防庁のサイトを開くと、活用したいページがありましたのでご紹介します。
《電子学習室【救急関係】命を救う》
◆心肺停止の場合、食べ物を喉に詰まらせた場合、ケガで出血している場合、など各カテゴリから、何をするのが適切か、なぜ必要なのかを動画を交えて教えてもらうことができます。
《消防庁の救急お役立ちポータルサイト》
◆ここでは「救急車のお仕事やどんなときに使うか」を小さなお子さんに伝える紙芝居やアニメ、また緊急度の判断基準とはどういうことか、を中学生以上の大人に伝えるための動画が用意されています。他にも冊子になった『緊急受診ガイド』をはじめ救急車利用のリーフレットなど、さまざまなお役立ちのガイドが揃っています。自分に役立ちそうなものを選らんで確認してみてください。
9月9日「9ときゅう」の語呂合わせがピッタリの「救急の日」。私たちの大事な命を守る救急医療の大切さは毎日忘れることができません。だからこそ救急車は有効に使っていきたいと思います。そしてもし、あなたが緊急の場に居合わせたら、どんなお手伝いができるでしょうか。小さなことでも応急手当の知識を持っているって大切ですね。