日本茶×ソーダの意外な融合!? オンライン日本茶ワークショップに参加し、その味を確かめてみた

松田 義人 松田 義人

 

日本茶といえば、「夏は冷やして飲むもの」「冬は急須で淹れて飲むもの」と、昔からおおむね飲み方が決まっていますが、いずれも日本人の心を癒してくれるような優しい味わいを楽しめるものです。

そんな日本茶の概念を良い意味で覆し、さらにその可能性を広げようとする試みをされているのが「日本茶セミナー1899ティーカレッジ」。昨年はコロナ禍で実施を控えていたとのことですが、今年6月よりオンラインでのワークショップを再始動。日本茶愛好家はもちろん、好奇心旺盛なファンから支持を得ているそうです。

この8月、「日本茶セミナー1899ティーカレッジ」では「お家で日本茶ソーダを作ろう!〜夏のお茶を楽しむ〜」というワークショップを開催しました。「日本茶ソーダ」というありそうでなかった味に惹かれるとともに、同セミナーではどんなことが行われているのか、参加させていただきました。

事前に送られてきたキットを準備し、開催日時にZOOMにアクセス!

まず、事前に申し込みをします。今回の「お家で日本茶ソーダを作ろう!〜夏のお茶を楽しむ〜」の参加費用は事前に送られてくるキットなどの費用込みで3500円(急須なし)or8000円(急須あり)。

いずれかを選んで参加予約をすると、オンラインワークショップの開催日までにキットが手元に送られてきます。これを準備し、開催日時にZOOMにアクセスするという流れです。

 

 急須の持ち方と淹れ方には大事なポイントが4つあった!

定時になり、さっそくオンライン上でワークショップが始まりました。レクチャーしていただける先生と、参加者の方々にまずはご挨拶。これから1時間、お茶を淹れていく流れをお聞きしていきます。

 

 まずは基本的な急須の持ち方からレクチャーを受けます。美味しい深蒸し煎茶・六煎茶の淹れ方には大きく以下のような4つのポイントがあるとのことでした。

ポイント① お茶の量

ポイント② お湯の量

ポイント③ お湯の温度

ポイント④ 浸出時間

このうち、「ポイント① お茶の量」「ポイント② お湯の量」に注目しながら、実践していきます。

まず、一煎目で2名分(湯呑み2杯分)を淹れるために、必要なお茶の量は4g。ティースプーンにして山盛り2杯だそうです。さらにお湯は4gのお茶に対して120〜200ml。実際にいただく量よりも少しだけ上乗せした量のお湯を入れると良いとのこと。筆者もこの通りに入れることにします。

そして、「ポイント③ お湯の温度」ですが、今回の六煎茶は70℃ほどの温度が望ましいとのこと。通常、湯沸かしポットなどのお湯の温度は90℃ほどなので、一度お湯を湯呑みなどに入れ、少々冷ました後に急須に注ぐと良いそうです。

さらに「ポイント④ 浸出時間」は今回は30秒ほど。「意外と早い!」と思った筆者でしたが、これまでのポイント通りに急須にお茶、お湯を入れて蓋をして30秒間待ってみます。よーい、スタート!

急須で煎れる日本茶は「最後の一滴」が一番美味しい!

30秒が経過しました。湯呑みが2つある場合は「廻し注ぎ」として「1、2、2、1」「1、2、2、1」の分量の目安で、複数回に分けながら「最後の一滴」まで注ぎます。この「最後の一滴」が一番美味しいそうなのですが、同時に急須の中にお湯が残らない状態になり、お茶っ葉自体が煮えることなく、二煎目も美味しく淹れることができるという一石二鳥の利点があるそうです。

 

また、この「最後の一滴」まで注ぐために、一番最後には急須の脇をポンポンと叩きながら湯呑みに注ぎます。きちんと注ぎ終えたら、急須に残ったお茶っ葉に熱がこもらないよう、急須の蓋を少しずらして置きます。これで二煎目のお茶に備えます。

淹れた六煎茶をは苦味もなく実にまろやか。それでいて深みのある味でした。六煎茶を淹れた際、お茶の中に繊維が浮くのは新鮮な証拠なのだそうです。

二煎目は、一煎目よりも楽に淹れられます!

さらに二煎目は湯沸かしポットのお湯をそのまま急須の半分より少し上のところまで注ぎ、蓋を閉めます。待つ時間は短く、一呼吸経つ程度で良いのだそうです。その上で、10回くらいずつに分け、少しずつお茶を湯呑みに注いでいきます。これだけでOK。二煎目は一煎目とはまた違う味わい深いお茶をいただくことができました。

三煎目のお茶っ葉を使って、日本茶ソーダを作っていきます!

ここまでがスタンダードかつ最も美味しくいただけるお茶の煎れ方なのですが、3煎目のお茶を使って、いよいよ日本茶のアレンジレシピ「日本茶ソーダ」を作っていきます。

用意するのは前述のお茶、急須、お湯に加えクリアカップ、氷、炭酸水、伊予柑のコンフィチュールです。コンフィチュールはジャムよりも液体分が多めで、アイスクリーム、パンケーキ、ヨーグルトなどにも使われるもの。ヨーロッパ各国のスイーツ作りで重宝されるこのコンフィチュールが、日本茶とソーダにどんなインパクトを与えてくれるのでしょうか。

作り方は以下の通りです。クリアカップに、順番に入れていきます。

①氷、炭酸水、コンフィチュールの準備する

②クリアカップにコンフィチュールを10g(ティースプーンすり切り1杯分)を入れる

③クリアカップに入りきるまで氷を入れる

④炭酸水を氷に向かって、炭酸が抜けないよう優しく注ぐ

⑤クリアカップの底に沈む、コンフィチュールを上に持ち上げるように軽く3回優しく混ぜる

⑥急須にそのままポットのお湯を入れ、一呼吸ほどしたところで、クリアカップに10回に分けてお茶を注いでいく。ここでも「最後の一滴」まできちんと煎れる

綺麗なグラデーションの日本茶ソーダの完成!

日本茶ソーダができました。緑とオレンジのこのグラデーションが実に綺麗で涼しさを感じますが、いただく際はよく混ぜてから飲むのだそうです!

一口飲んだだけで実にスッキリ。お茶の苦味はなく、コンフィチュールの甘さと炭酸水のシュワシュワ感じが絶妙に融合し、全体的にはまろやかな風合いになりました。この味、残暑厳しい今には特に美味しくいただけるのではないかと思いました。かなりオススメですので、ぜひ皆さんも作ってみてください。

  

ところで、三煎目以降のお茶の葉は苦味がなくなり、食べることもできるのだそうです。そのまま食べても美味しいですが、白だしを入れたり、マヨネーズをかけたり、鰹節に醤油で味付けをしても美味しくいただけるとのこと。もちろん、ご飯のおともにピッタリだそうです。

できるだけ無駄を出さず、環境に優しいものが好まれる今の時代にも、日本茶はピッタリ合致しているようにも思いました。

コーヒーや紅茶のように、日本茶に親しんで欲しい

最後に「日本茶セミナー1899ティーカレッジ」の担当者の方に話を聞きました。

「伝統的な飲料であり、現代でも多くの人に親しまれている日本茶ですが、飲料の多様化や、ペットボトルの普及などにより、若い世代を中心に急須離れがささやかれています。 飲食店では無料で提供されることもあるお茶も、コーヒーや紅茶のように、より多くの人に価値を知ってほしい。そして日本茶の素晴らしさ、楽しみ方を伝えられる『お茶と共に過ごすゆるやかな時間』をお届けしたいと願い、『日本茶セミナー1899ティーカレッジ』を開催しています。

日本茶の生産地や生産者のもとにおもむき、茶摘や日本茶作りを体験できる『ツアー』や年に数回不定期で開催する『セミナー』などもありますが、現在はコロナ禍の影響で休止しています。そんな中で、『ワークショップ』のみ今年の6月からオンラインで再開させ実施したところご好評をいただきました。『オンラインでもみんなで一緒にお茶を楽しむ雰囲気が嬉しい』といった声をいただき、今後も実施予定です。

男女年齢問わず気軽に参加できるセミナーです。ぜひご参加いただければ幸いです」(担当者)

 

ワークショップでは様々な方々参加されていました。毎日お茶を淹れている愛好家の方だけでなく、「お茶の勉強をしたい」「自宅でジャムを作っていてお茶ソーダを楽しんでみたい」と、その思いも様々でした。今回の参加によって、お茶の基本の淹れ方だけでなく、従来の飲み方から飛躍した新しい楽しみ方も知ることができました。

「日本茶セミナー1899ティーカレッジ」のワークショップは毎月開催中です。皆さんも是非、日本茶の世界に気軽に、そして奥深く触れてみてはいかがでしょうか。

■日本茶セミナー1899ティーカレッジ https://1899.jp/tea-college/

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