切っても切っても「数字の8」が出てくるキュウリが話題 野菜のプロ「きれいな8の字。自分も作りたい」

金井 かおる 金井 かおる

 富士山の麓、山梨県南都留郡忍野村にあるプリント工房「株式会社デッセ」の公式Twitterアカウント(@DecceLab)が投稿したキュウリの写真が注目を集めています。「切れば切るほど8が出てくるキュウリに出会いました」と驚く投稿者と、野菜の専門家に話を聞きました。

お父さん「ツイートしたらバズるよ!」

 投稿したTwitter担当者によると、キュウリは担当者のお父さんが家庭菜園で育てたもの。「ツイートしたらバズるよ!」とお父さんはうれしそうに畑から持ち帰ってきました。

 担当者は見た瞬間のことを「どうしてこうなるのか不思議に思いました。何これ!?という感じでした」と振り返ります。2本がぴったりとくっついており、長さは「20cmより少し大きいくらい」。キュウリ作りが長いお父さんも初めて見る形だったそうです。

 家族全員で「スゴーーーイ!」と盛り上がったあとは仏前に供え「ご先祖さまにも披露しました」。塩もみし食べたお味は「しばらく飾っていたので少し古くなってしまいましたが、味はおいしかったです」。

 Twitterに投稿すると、お父さんの読み通りみるみる拡散。無限マーク「∞」に似ていることから「これがホントの無限きゅうり」、拍手を表す「88888888」、さらには人気グループの「関ジャニ∞だ」といった反応も寄せられました。「『無限きゅうり』というリプライにはクスッとしてしまいました」。

 お父さんは反響の大きさをご存じなのでしょうか。

 「『いいねがたくさんついたよ!』と伝えたところうれしそうでした。その後、『これもどう?』と大きなキュウリも持ってきてくれました」

 ところで同社の「株式会社デッセ」という社名。関西在住の筆者は親近感を覚えたのですが。

 「関西弁を連想される方が結構いらっしゃるのですが、全然関係ない山梨の企業で恐縮です。デッセという社名は、弊社が12月創業であることから『December』、また『きちんとした』『礼儀正しい』というような意味の『decent』という単語から決めたようです。事業内容は、Tシャツ等の布物をメインに1点からグッズへのプリントをしています」(担当者)。

野菜のプロも驚く「きれいな8の字」

 2本くっついたキュウリは珍しいのでしょうか。専門家に聞きました。

 植物や野菜などの苗を生産販売するH&Lプランテーション(本社、愛知県春日井市)に勤務し、野菜ソムリエの資格も持つ伴野清文さんに電話で話を聞くと、「毎年、何件かはお問い合わせをいただく現象です」。

 「はっきりと言えるわけではないですが」と断った上で、2本がくっついた理由を教えてくれました。

 1つ目の可能性は低温。苗を植える時に気温が低かったり、実となる花芽が形成する時期に天候不順が重なると、花芽の形成が不十分になり、変わった形に成長することもあるそうです。

 もう1つは実のつく位置。キュウリは株の根元から葉の位置ごとに1節目、2節目と数え、通常は地面から約60cm以上の高さにある10数節目の実を収穫します。しかし、低い位置に花がつき実になった場合、今回のような珍しい形ができる可能性もあるといいます。

 実際の写真を見た伴野さんは「きれいな8の字ですね」と整った形に驚いた様子。「こんなにきれいな8の字はなかなかないです。作れるものなら狙って作りたいぐらい。もし自宅の畑で収穫できたら間違いなくSNSにアップします」と熱く語りました。

 今回のキュウリはプロもうらやむ美しさということは間違いなさそうです。

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