東京オリンピックの開会式以来、一躍注目を集めるピクトグラム(絵文字)の世界に、まさかの警察官が参戦です。しかも実写版の「防犯ピクトグラム」。体を張った防犯啓発にネット上では「手作り感すごくて、笑える」「わっ、2次元かと思ったら3次元!!笑笑」「じわじわきます」など反響が広がり始めています。
防犯アピール「手作りでいい、早くやろう!」
愛知県警常滑署の生活安全課課長、中川元宏警部(47)はオリンピック開会式翌日、署内で生活安全係の警察官3人とこんな会話を交わしました。
「開会式のピクトグラムおもしろかったよね」
「人がやるからおもしろいよね」
開会式で異彩を放った実写版ピクトグラムは、普段から自分たちが取り組む防犯活動と相性がいいのではないかと盛り上がります。
「スピードと小道具の精度、どちらを取るか?」
「手作りでいいじゃないか、早くやろう!」
オリンピック期間中に間に合わせようと、4人による実写版「防犯ピクトグラム」計画はとんとん拍子で進みました。
演じるのは誰?
防犯の啓発活動で子どもたちに寸劇などを行っていた経験が強みとなり、小道具の作成や衣装の調達などはお手の物。「啓発活動は慣れていて得意です。とにかく『すみやかに』を目指しました」。
小道具は段ボールで土台を作り、表面はホームセンターで売られる青色のラッカースプレーで着色。「スプレーが乾くのを待つのがいちばん時間がかかりました。待っている間に衣装を調達しました」。
開会式のピクトグラムそっくりの衣装には、青色の全身タイツと白のノースリーブシャツを使用。全て市販品で、全身タイツは「(小売店の)パーティーグッズコーナーに行ったらあるだろう」と当たりをつけスムーズに入手しました。
苦労したのは頭部の再現。「クッションをかぶり、紐で縛ってお面にしました」。正面からの見栄えを重視するため、何度も形を調整したそうです。
演じるのは「着ぐるみを着るのは初めて」という30代の男性警察官。恥ずかしながらやっているのでは…と心配になったものの「ノリノリですね」。
公式ツイッターで公開中、今後は?
防犯ピクトグラムは全3種を撮影し、愛知県警察広報課の公式ツイッターアカウント(@AP_KOUHOU)を通じて公開中です。
第1弾は8月4日配信の「詐欺にだまされるな」。特殊詐欺被害が連続して発生していることを受け、受話器片手の人物が「迷惑電話防止機能がついている電話機に買い替える等、防犯対策を」と拳を上げます。他にも、段ボールで作った家と鍵の小道具を持ち、「自宅には必ず施錠をし、確認も忘れず行いましょう」。侵入盗被害を防ぐためには「まずは施錠」と呼びかけます。
ツイッターに投稿後、普段は数十件だった「いいね」の数は100件を超え、「防犯対策を伝えたいという思いでやりました。反響があってうれしいです」。ツイッターユーザーからは「手作り感満載だけどおもしろい」「シュール」「ほんわかしていていいね」などの声が寄せられているといいます。
もしかすると、続編が見られる…かもしれませんね。