夕方のニュース番組「news every.」のメインキャスターを務める日本テレビアナウンサー藤井貴彦さんはこのたび、初の著書「伝える準備」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を上梓しました。
コロナ禍では「藤井語録」が話題に
藤井アナといえば2020年2月以降、新型コロナ関連のニュースを受けての視聴者への呼び掛けが「心に響く」とたびたび話題になっています。
「おうちにいる、人との距離を保つ、それだけで社会貢献になっています」
「命より大切な食事会やパーティはありません」
「たくさんのものを我慢してあきらめる日々を過ごしていますが、他人を思いやる心まで失わないでいること。これが大切です」
ツイッター上では「藤井アナの言葉で落ち着けた」「藤井アナありがとう」「さりげなく寄り添ってくれる」「言葉選びが上手」といった感想が並び、「藤井語録」「藤井コロナ語録」「藤井名言」などと呼ばれるようになりました。
星野さん&新垣さん速報に興奮する一幕も
芸能界のビッグカップル、星野源さんと新垣結衣さんの結婚発表の際には意外な一面も見せました。
速報を読み上げたあと、ひときわ声のボリュームを上げて「ドラマを飛び出して本当の結婚へという流れとなってまいりました」と熱く解説。最後には「興奮して大変申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げました。
普段の冷静沈着さとのギャップに、視聴者は「そりゃ興奮するよ」「これは仕方ないニュース」などと同情。この時の様子は日本テレビの公式ツイッターアカウント「日テレNEWS」(@news24ntv)でも動画が配信され、7.2万いいねがつけられました。
担当編集者も驚く「言葉選び」
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンの編集者、三谷祐一さんと安永姫菜さんに話を聞くと、執筆中も担当者が舌を巻く言葉選びを見せたそうです。
ーー執筆の依頼はニュースの中のメッセージがきっかけ?
「はい。もともとは番組内でのメッセージの力強さや誠実さがきっかけでした。藤井さんが、日々どのようなことを意識して言葉を発しているのか、そのためにどのような準備をすればよいのかについてぜひお聞きしたいと思いました」
「日々伝えたいことがうまく伝わらない、自分の考えがうまくまとまらないと感じている方に読んでいただけるものを、と考えて企画しました」
ーー藤井アナによる全編書き下ろしだそうですが、原稿にも番組でのメッセージと同じような引力が?
「初めて原稿をいただいたときから、心地よい文章のリズムと言葉選びに、感動いたしました。読んでいると、自然と藤井さんの声が聞こえてくるような原稿です。真剣に伝えるページ、楽しく伝えるページ、それぞれ声のトーンまで伝わってきます」
「なんと、1つの単語の途中で行替えにならないよう、綿密に計算されているところにもご注目いただきたいです。すごいですよね!」
27年間続ける「5行日記」
本書の中では入社以来、27年間続ける「5行日記」の存在を明かした藤井アナ。「日記は自分自身へのインタビュー」とし、日記をつけることのメリットやルールを披露します。見出し(タイトル)に使えそうな内容やひと手間かかった言葉を入れる、何気ないひと言を書き留めておくなど、職業や立場を問わず、さまざまなシーンで役立ちそうなアドバイスが光ります。
同社では「自分の考えがうまくまとまらない、部下にもっと効果的な声かけをしたい、日記やメモをつけているがただ書いているだけでうまく活かせていない、言葉の力で自分を変えたい人におすすめ」とアピールしています。
「伝える準備」(藤井貴彦・著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は7月16日発売。四六判204ページ。1650円(税込)。