「マンガは面白くなくてもいいから必ず完成させること」
“描けない若手漫画家”を救ったあるベテラン漫画家の金言を紹介する漫画がSNS上で大きな注目を集めている。この漫画を制作したのは漫画家の納豆まぜおさん(@mazemazemazeo)。
若かりし日の納豆まぜおさんは準備や執筆作業に時間をかけすぎるうちに、その内容がつまらなく思えてしまい、作品を最後まで仕上げることができなかったのだという。件の金言はそんな納豆まぜおさんが、当時アシスタントを担当していたベテラン漫画家がアドバイスしたものだ。
描かなければ漫画家として前に進めない…ベテラン漫画家に励まされた納豆まぜおさんはその後、必死で作品を量産するようになり、世に認められていった。
長年、第一線で活躍を続けるベテランならではの含蓄ある金言にSNSユーザー達からは
「近い話ですと手塚治虫先生もギリギリまで良くならないか良くならないか考えたりしたらしいけれど多くの締め切りがあって仕上げなきゃならないの要素が多いとか本で読みました。編集者の方がいなかったら創作の半分も世に出てなかったとか。完成させるって大事なんですね」
「貴重なお話ありがとうございます。
とにかく始める事とそれを完成させる事が本当に大切な事なんですね。完璧を求めようとすると結局悩んで立ち止まる。それこそが、絵が下手とか話がつまらないとか以前に一番の問題だなと改めて思います。第一線の方だからこそのお言葉ですね」
「他の仕事でも当てはまりますね。とりあえず形にしたらどうすれば良いか見えてきたり、お客さんや同僚の意見を聞く叩き台に出来ます。」
など数々のコメントが寄せられている。
納豆まぜおさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):このベテラン漫画家とはどなたなのでしょうか?
納豆まぜお:村田ひろゆき先生です。
中将:「ころがし涼太」や「工業哀歌バレーボーイズ」などのヒット作のある方ですね!
納豆まぜお:アシスタントとして1年ほどお世話になりました。頂いたアドバイスはいまだに忘れないように紙に書いて部屋に貼っております。
中将:書けなかった頃のご自身を振り返ってどう思われますか?
納豆まぜお:やはり傑作を描こうと焦っていたのだなと感じます。描けない期間が長くなるほど、より傑作を描かねば…と負のループにはまってしまった感があります。駄作でもいいので、とにかく何か形にしてみて、「描く習慣」を作るのがクリエイターになる早道だと、今は思います。
中将:アシスタント先の漫画家の方の言葉を聞いたときのご感想をお聞かせください
納豆まぜお:正に自分が欲しかった言葉が聞けたな、と思いました。なかなかプロの漫画家が「面白くなくてもいい」とは言えないと思うので、素晴らしいアドバイスをしてくれた先生に感謝しております。
中将:納豆まぜおさんを親身に思われていたんでしょうね。ご投稿に対し数々のコメントが寄せられていますが、今回の反響へのご感想をお聞かせください
納豆まぜお:世代を問わず職業を問わず、あらゆるクリエイターさんから反響があって驚きました「描けない、作れない問題」はやはり一生続く根深い問題なのだなと感じました。またこの漫画がもし誰かの創作の後押しになれたのだとしたら、本当に描いて良かったなと思います。
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村田ひろゆきさんの言葉に励まされた納豆まぜおさんは現在「毒蛇転生」を連載するなど、人気漫画家として活躍中。最新話はTwitterなどのSNSで毎週更新されているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。