カントリー風の大きなクッキーが人気の焼き菓子店「ステラおばさんのクッキー」が5日、公式ツイッターアカウントを開設しました。アカウント名は「ステラおばさんのクッキー公式」(@auntstella_jp)。初の投稿はこちらです。
「はじめまして。ステラおばさんです。いいかい。クッキーやケーキを作るとき一番大切なのはオーブンの温度じゃないんだよ。それを誰かのために作ろうっていう気持ちなんだよ」
ユーザーからは「はじめまして!」「ステラおばさんだ」「ステラおばさんのクッキー大好き」「速攻でフォローした」などの声が寄せられ、フォロワー数も日に日に増加中。一方で、突然の投稿に「本物のステラおばさん?」「本物なの?」などとざわつくユーザーもいました。
ステラおばさんのクッキーを運営する株式会社アントステラ(本社、東京都渋谷区)の担当者に聞くと、アカウントは正真正銘の本物。「ステラおばさんのクッキーをたくさんの人に興味を持っていただき、クッキーを食べていただきたい」という思いから、初めて開設したといいます。
ステラおばさんは実在の人物?
ところで同社ロゴマークにも描かれた「ステラおばさん」は実在の人物なのでしょうか。担当者に直撃すると「実在しております」。
ステラおばさんは1908年生まれ。アメリカ・ペンシルバニア州ダッチカントリーで幼稚園教諭として働いていました。クッキーやケーキ作りが得意で、村のお菓子コンテストで優勝するほどの腕前でした。
その味を日本に紹介したのは、ステラおばさんの甥ジョセフ・リー・ダンクルさんです。
ジョセフさんは1974年、日本でアイスクリームの製造販売を行う会社を設立。8年後の1982年、ジョセフさんはアメリカにいるステラおばさんにある相談をします。
「日本でステラおばさんのクッキーを紹介したい」
当時74歳だったステラおばさんの返事は「いいかい。クッキーやケーキを作るとき一番大切なのはオーブンの温度じゃないんだよ。それを誰かのために作ろうっていう気持ちなんだよ」。
まさに今回の公式ツイッターの第一声にもあった、ステラおばさんの温かい人柄を感じさせるセリフでした。
「1枚のクッキーからあたたかい心の交流が生まれると信じており、弊社のブランドステートメント『ウオームハートコミュニケーション』として、今に受け繋がれております」(同社担当者)
甥からのお願いを快諾したステラおばさんは、6年に渡り自身のレシピの全てを甥に伝授します。そして1988年の春、80年の生涯を終えたのです。
没後30年が過ぎ、店舗は北海道から沖縄まで全61店に拡大(2021年7月7日現在)。クッキーやケーキ、パイなどステラおばさんのレシピの一部は、同社サイト内でも公開しています。