夏だ!海だ!和歌山マリーナシティだ! 古くて新しい「関西の穴場」を訪ねてみた

山本 智行 山本 智行

 もうすぐ夏本番。コロナ対策、ワクチン先進県として注目される和歌山に穴場のレジャースポットがあるのをご存じだろうか。「和歌山マリーナシティ」は屋外型テーマパーク「ポルトヨーロッパ」や地元の海産物を扱う「黒潮市場」など様々な施設がそろったリゾートアイランド。夏を前に見どころをチェックしてみた。

 「和歌山マリーナシティ」は景勝地、和歌浦湾に浮かぶ開発面積65ヘクタールという広大な人工島だ。和歌山駅から南へ10キロ。大阪・天王寺からだと特急「くろしお」に乗って1時間ちょいか。2本の橋でつながっており、島内に入ると南欧風「和歌山マリーナシティホテル」をはじめ、リゾートマンションや西日本最大級のマリーナが見えてくる。

 主要施設といえば、まずは異国情緒漂う「ポルトヨーロッパ」だろう。関西の人なら一度は聞いたことがあるかもしれないが、中世イタリアの港町やスペインの古城などを再現した屋外型のテーマパークで入場は無料。オープンから四半世紀がたち、いい雰囲気を醸し出しており、旅行気分が味わえるのがいいところ。写真スポットとしてもおすすめだ。京都市から来たというカップルは「のんびりとして、いいところですね。いまはどっこも行けないので、来て良かった」と笑顔で話した。

 また隣接する屋外の遊園地ゾーンには20種類以上のアトラクションがあり、なかでも「ハイダイブ」は落差22メートルを一気に急降下するウォーターライド。水しぶきが飛んでキラキラと輝き、何とも気持ち良さそう。スタッフの1人も「夏に向けてぴったりのアトラクションだと思います。お得な乗り物パスポートもありますよ」と推奨してくれた。

 このポルトヨーロッパと広場を挟んで反対側にあるのが食のテーマパーク「黒潮市場」だ。和歌山を中心に、全国各地でとれた海産物などが所狭しと並んでおり、目移りするほど。マグロの解体ショーも連日開催しており、タイミングが合えば、その場に立ち合うこともできる。

 さらに、夏ならではのおすすめは、海沿いの開放的なテラス席でのバーベキュー。市場内で購入した新鮮な食材をすぐさま味わえるのが醍醐味だ。特にサンセット。密を避けながらビールをグビッといくのは最高だろう。

 そんな和歌山マリーナシティは、関西国際空港が開港した1994年に「世界リゾート博覧会」の開催地としてオープンした。このイベントは72日間で300万人の来場者を記録するなど、大成功を収めており、覚えている人も多いのではないか。

 その後、勢いを失った時期もあったが、開放感のある露天風呂を備えた「紀州黒潮温泉」や「海釣り公園」など施設をどんどん充実させていったことで少しずつ人気回復。インバウンド効果もあり、コロナ禍前の2019年には年間250万人が訪れている。

 もちろん、現在は全国のレジャー施設同様に厳しい状況が続いているそうだが、和歌山県内のワクチン接種率の高さもあり、少しずつ客足は戻っているという。

 そこで、夏のイベントして力を入れるのが花火と音楽を融合させた「スターライトイリュージョン」だ。特に、今年はゴールデンウイーク期間中の花火イベントが中止になったことから、その分、お子様向けに人気のアニメやTV番組の主題歌にのせて花火を観覧する「Children Special」を3回実施。「仮面ライダーセイバー」や映画「鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌などが流れる中、色とりどりの花火を打ち上げることになっている。

 さらに、夏休みの”定番”ともいえる「世界の美しい昆虫展」を開催。定番とはいえ、世界最大級のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」や世にも美しい「ハナカマキリ」など他ではなかなか見られない昆虫たちが大集合する。夏の思い出づくりにはもってこいかもしれない。

 和歌山マリーナシティの山路晃弘企画宣伝部長も「和歌山市には5つの海水浴場がありますし、和歌山マリーナシティホテルのプールサイドではビアガーデンも開催する予定です。各施設の利用がセットになったお得なプランもありますので、ぜひ、お越しください」と話している。

 古くて新しく、程よい距離にある和歌山マリーナシティ。コロナが収まるのを願いつつ、夏の予定に入れてみたくなった。

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