「こめ」「アマニ」「えごま」最近見かける色んな油、何がどう違う? メーカー担当者に聞いた

松田 義人 松田 義人

 いつからかスーパーの油コーナーには従来のサラダ油、キャノーラ油、オリーブオイルだけでなく、こめ油、アマニ油、えごま油など、様々なものが陳列されるようになりました。しかし、まだ親しみが浅いことから、これらがどういう出自で、どんな料理に適しているのかがよくわかりません。

 そこで今回は、油メーカー大手・J-オイルミルズの担当者の方に話を聞き、それぞれの特徴を聞きました。また、同社が提案する各油を「もう一歩料理に役立たせる方法」もお聞きしました。

こめ油、アマニ油、えごま油それぞれの由来と特徴とは?

――いつの間にか慣れ親しんだ従来のものだけでなく、様々な油が開発・販売されています。これはいつ頃からのことでしょうか?

担当者 以前まで「食用油は太りそう」とか「体に悪そう」と思われることが多かったように思います。しかし、油には体内で作ることができない 「必須脂肪酸」をはじめ、健康効果が期待される脂肪酸や栄養成分が入っているなどメリットがたくさんあり、今はむしろ積極的に適量摂っていこうという風潮に変わってきています。

 そこで弊社では2015年に「オメガ3 (n-3系脂肪酸)」に着目した製品の開発・販売を行いました。

――「オメガ3 (n-3系脂肪酸)」もよく耳にしますが、なんなのかよくわかりません。

担当者 オメガ3(n-3系脂肪酸)は体内の様々な機能をサポートしてくれる重要な要素で、体内で作ることができない 「必須脂肪酸」のひとつです。アマニ油は「アマの種子を搾ったもの」で、えごま油は「えごまの種子を搾ったもの」ですが、いずれもオメガ3(n-3系脂肪酸)の代表的な脂肪酸であるα-リノレン酸を含んでいます。

――一方のこめ油はいかがですか?

担当者 米ぬかと胚芽が原料のもので、コクと甘味が特徴の油です。従来のサラダ油などと同様、炒めもの、揚げもの、サラダ(ドレッシング)など幅広くお使いいただけます。加熱すると甘い香りが出てくる上、優れた酸化安定性が特徴です。

こめ油は揚げ物に最適。アマニ油、えごま油は非加熱料理に最適

――こめ油、アマニ油、えごま油それぞれに対し、調理する上で向き不向きはないのでしょうか?

担当者 こめ油は比較的従来のサラダ油同様の使い方ができ、特にオススメなのが揚げ物です。業務用でも人気があり、特に不向きな調理はなく万能にお使いいただけると思います。

 一方、アマニ油やえごま油はα-リノレン酸という脂肪酸が多いため、加熱するとどうしても特有の匂いが出てきます。そのため加熱調理には不向きで、サラダにかけるとか、味噌汁にたらす、スムージーやジュースに入れたりすることに向いています。

――サラダはわかりますが、味噌汁やジュースにも油をたらすのですか?

担当者 はい。このことで味にコクが出る上、栄養価を増やすことができます。

体内で作れない脂肪酸を含む油。適量を積極的に取ると良し!

――まとめると、こめ油は従来のサラダ油同様に幅広く使う。アマニ油やえごま油は基本的には生食として使うのが向いていて、脂肪の燃焼を促すオメガ3を摂るのに最適。また、アマニブレンド油であれば、加熱して使うこともできるということですね。

担当者 そうです。油というのは、体内で作れない脂肪酸を含んでいます。油ならではの栄養成分もありますので、適量を積極的に摂っていただきたいと思っています。

――今後もこういった新しい油の開発は進めていくのでしょうか?

担当者 もちろんです。世界には「日本にまだない」油もまだ多くありますし、これからも健康的で食卓に合う油を探っていきたいと思っています。

 油に対しまず「太る」といった先入観を抱いていた筆者でしたが、こめ油、アマニ油、えごま油にまつわる話を聞き、その印象がかなり変わりました。是非今回の記事をご参考に、新しい油を料理ごとに使い分け、食生活と健康をより豊かにしてください!

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