空き家になった実家に猫の親子が!?酷い猫風邪「せめて子猫だけでも」と必死の保護、今ではヘソ天でほっこり

渡辺 陽 渡辺 陽

猫風邪をひいた子猫たち

東京都に住む武田さんの母親は、時々空き屋になった実家の掃除をしに行っていた。2020年11月24日、庭の掃除をしていてたまたましゃがんだ時に、柿の木の下に置いてあるプランターの中に灰色の子猫がいるのを発見した。母猫らしき黒猫がいたが、あっという間に姿を消してしまった。子猫は生後1カ月くらいで、目ヤニで目が開いていなかった。 

翌日、武田さんは母親から子猫の話を聞いた。気になったが、仕事もあり、他の子猫を探すのは母親に任せた。

27日、黒猫の子猫も1匹いることが分かった。黒猫の子猫も目ヤニがすごく、かろうじて目が開いている感じだった。近づくとすぐに逃げてしまうため、隣のアパートからのぞいて確認したという。

2匹とも無事確保

29日のお昼頃、母親が様子を見に行くと、たまたま灰色の子猫が1匹でいた。そっと触ってみたら大人しくしていたので、何の準備もできてなかったが車に乗せて動物病院に連れて行こうとした。

「一か八か抱っこして車に向かうも途中、子猫が暴れて落ちて、逃げてしまったそうなんです。高いところから子猫が落ちて、目も開いていないのに…と凄く心配になって、子猫を動かした自分を責めていました」

15時頃もう一度見に行ったところ、また元のプランターに母猫らしき黒猫と一緒にいたので一安心したそうだ。

だんだん真冬のように寒くなってきて、母親も武田さんも、子猫たちのことが心配でならなかった。

30日、武田さんは早く帰宅できたので母親と様子を見に行くと、母猫と2匹の子猫がプランターの中にいた。子猫を捕まえようと手を伸ばすと、たまたま黒猫の子猫が武田さんと母親の間をすり抜けていき、挟みうちできたので洗濯ネットで捕まえることができたという。

灰色の子猫も追いかけたが、目が見えないのにすばしっこくて、すり抜けていってしまった。この日は灰色の子猫を保護するのを諦めて、黒猫の子猫だけ動物病院に連れていった。体重650gくらい。猫風邪が酷く、先住猫にうつす可能性があったので、1週間ほど入院させた。12月8日、無事退院できたので、武田さんが引き取ったという。

その2日後、母親が灰色の子猫と母猫を庭でみつけた。すぐ逃げてしまったが、ごはんを置いたら食べにきたので、すかさず後ろから近寄って洗濯ネットを被せ、逃げられないように近くにあったバケツを被せたという。バケツからキャリーに入れたくても、失敗したら逃げてしまう。知り合いのボランティアに連絡すると手伝いに来てくれた。子猫は保護できたが、動物病院が休診日だったのでボランティアがひとまず預かり、翌日病院に連れて行ってくれた。灰色の子猫も猫風邪の治療のために入院、12月21日に退院し、武田さんが引き取った。

3匹とも幸せにしたい

武田さんは2年半前に保護した猫、のんちゃんを飼っていた。ふわふわで少し脚が短い子猫たちのことを可愛いとは思ったが、みんな飼うことはできない。

「ただ、日中仕事で留守にするので、のんちゃんの遊び相手になってくれる子がいたらいいなと思いました。相性がよかったら飼う、相性が悪ければ里親さんを探すことにしました」

しかし、のんちゃんと子猫たちは、2、3日ですっかり仲良くなった。武田さんは、3匹一緒に飼って幸せにしてあげたいと思い、家族に迎え入れることにした。黒猫をくますけくん、グレー猫をもふきちくんと名付けた。

のんちゃんは、くますけくん、もふきちくんより6ヶ月年上のお姉さん。世話好きで、落ち着きがあり、2匹のグルーミングをしてあげる。

くますけくんはマイペース。他の2匹が走り回って遊んでいても、眠い時は絶対起きずに寝ている。犬のように甘えて鳴くこともある。もふきちくんは臆病で、甘えん坊。いつも武田さんにくっついてスリスリする。

「2匹を迎えて猫が3匹になり、今まで以上に頑張って仕事をして、幸せにしてあげなくちゃ!と思うようになりました。猫たちのおかげで毎日がとても楽しく、幸せです。運命の出会いだったのかもしれません。私たちのところに来てくれてありがとうと伝えたいです。過酷な外の環境にいる野良猫達がみんな幸せになることを祈っています」

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