ブルーライトカット眼鏡、子供にも必要なの? ほとんどの学会で不要と見解

ドクター備忘録

窪谷 日奈子 窪谷 日奈子

 ブルーライトは太陽光や電球から出る光に含まれている、青い波長の光のことです。液晶画面から出るブルーライトが目に有害かどうかは何度も議論されてきました。よく例に挙げられるのは体内時計とブルーライトの関係。夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると体内リズムが狂い、睡眠障害を起こす恐れがあると言われています。また眼精疲労を軽減させるといううたい文句で、パソコン作業用のブルーライトカット眼鏡が販売されています。

 しかし、ほとんどの学会でブルーライトカットは不要という見解が示されています。今年3月に日本眼科学会からも同様の内容が発表されました。デジタル端末から出ているブルーライトはそもそもわずかで、目の奥の網膜に障害を起こすレベルではなく、それで疾患が起こったという報告もないようです。

 子供にブルーライトカット眼鏡が必要かどうかについては、結果からいうと不要だと考えます。ブルーライトを含んだ太陽光は体の正常な成長に必要ですし、太陽光を浴びないと近視進行のリスクが高まることがわかっています。眼鏡で1日中カットすることは、子供にはデメリットの方が多くなるのです。

 体内時計への影響を考慮したとしても、少なくとも日中にブルーライトカット眼鏡を装用する必要はなさそうです。とはいえ体内リズムに影響するという報告はありますので、気になる方は就寝時間の2~3時間前はダークモードに変えたり使用を控えるとよいかもしれません。

 デジタル機器を見た時の眼精疲労は、まばたきの減少によるドライアイや、長時間一点を見ることによる筋肉の疲れが原因でしょう。古典的ですが1時間作業をしたら5分は遠くを見て目を休める、意識してしっかりまばたきすることが大切です。改善しない強い眼精疲労がある場合は、眼鏡の調整をしたりドライアイの点眼を試してみるとよいかもしれません。

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